<蓬川兄弟の得意武器>※年齢操作(六年→二年)

 潮江 文次郎の一言で、漸く忍者になる事を決意した蓬川兄弟。二人が揃えば実技も学力も試練とは成り得ないのだが、とある疑問が双子を苛んでいた。
 得意武器の存在である。忍者を目指す者には得意武器を持たない忍者もいるが、双子の尊敬する先輩が得意武器を持っていたので・・・彼らも欲しくなったのだ。

「得意武器、どーしよーか?」
「武器って訓練しないといけないんだよね?」

 珍しく頭を悩ませる双子。普段の彼らを知る者が見れば、「天気雨ならぬ天気吹雪が来るのか?!」と慌てふためく程に珍しい光景である。
 得意武器と聞いて彼らが思い浮かべるのは、やはり先代会計委員長の袋鑓か、現代会計委員長の武器庫のような長屋の個室。どちらも会計委員会繋がりで、一つ上の先輩が「武器にもなりそうっすね」と十キロ算盤をその手に告げていた事を思い出す。

「「んーーー。・・・ん?十キロ算盤・・・・・・珠・・・? ――弾き玉だぁっ!」」

 使い方は簡単そう、筋肉をつける必要もない、忍ばせ易い、万事OK!と、他の人間が聞けば絶句しそうな結論が双子の脳裏でシンクロしてしまう。こうして、得意武器兼遊び道具となる弾き玉が双子の手に握られてしまった。
 その弾き玉を以てして、文次郎の同輩たちがこれでもかと虐められるのは・・・二年後の事である。

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