<オマケ@>

「え、仁先輩が来てたのか?」
「あぁ、俺は会ってないけど。尾浜が学園長先生の所まで案内したらしい。」
「そっか。擦れ違いになっちまったな。」
「・・・お前な、いつまでも先輩にデレデレ懐いてんじゃねぇよ。子供じゃあるまいし。」
「挨拶出来なかった事が気になるだけだ!お前こそ、後輩に対するそのだらしない顔をどうにかしたらどうだ。いつ手を出すかと気が気でないんだが。」
「んだと?!んな事する訳ねぇだろ!威圧感だらけの老け顔なお前に言われたかねぇ!」
「やるか!」
「やらいでか!」

「・・・あの二人って、どんな理由でも喧嘩になるんだなぁ。」



<オマケA>

「それにしても、生物委員長と用具委員長って、潮江先輩が苦手だったのか。」
「あー、でも納得しちゃうかもなぁ。」

 そう呟くのは四年ろ組の不破 雷蔵だった。「どうして?」と勘右衛門が問いかけると、雷蔵は「だって」と答え始める。

「先輩達の世代って下には立花先輩たちがいて、上にはあの問題児の双子がいたでしょ?」

 さらりと告げられて、他の四年生たちは絶句した。と、同時にとても納得してしまった。

「・・・どうしよう、物凄く納得してしまった。」
「俺等なんて、三郎一人で手一杯だってのになぁ。」
「三郎みたいなのが五人もいるあの学年って、やっぱり可笑しいよなぁ。」
「おい待て。流石にその言葉は私でも頂けないぞ!」

 何かと優秀な生徒が多い事で有名な、一つ上の世代。あの中に自分たちがいれば、今の六年生たちのように板挟みになっていたかもしれない。そう考えると、ぞっとする。
 同時に、板挟みになりつつも、あの場所に居続けられる人物が、不意に彼らの脳裏を過ぎった。

「「やっぱり潮江先輩ってすげぇ。」」
「うん。」
「あぁ、は成りたくないけどなぁ。」
「全くだ。」



<オマケB>

 学園から戻ってきた仁ノ助は、城で机仕事をしていた徳ヱ門と話をしていた。偶然にも再会した先輩には言わなかった事だが、自分と徳ヱ門は同じ城に勤めているのだ。そして、嘗ての委員会のもう一人の後輩も、半忍という形で所属している。

「え、会ってないんですか?」
「姿を見た時、あれの意識は朦朧としていた。恐らくは、夢か何かだと思い込んでいるだろう。」
「また無茶をしているんですね。彼らしいと言えばらしいですが。」

 学園への文を届ける、という仕事を与えられた時。仁ノ助は徳ヱ門か林蔵に行かせようと思っていた。だが、そこを逆に押し切られ、自分が行く事になってしまったのだ。彼ら曰く「貴方より、彼との時間を過ごしましたので」という事らしい。・・・まるで、自分が会いたがっているようではないか。

「数年振りの再会でしたでしょうに、何も話さなかったのですか?」
「・・・起こすのが忍びなくてな。」

 そう告げる仁ノ助に、徳ヱ門はクスリと笑みを零す。

「・・・・・・何を笑う。」
「ぃえ、気付いていらっしゃらないかもしれないので言わせて頂きますが・・・。文次郎は貴方の傍にいると、とても落ち着いて寝入ってしまうそうですよ?」
「・・・・・・。」
「彼が一年生の頃、よく貴方が膝の上に乗せると寝入ってしまっていましたが・・・。多分、私が膝に乗せてもあそこまで寝入る事はなかったのでしょうね。」
「――――。」

 徳ヱ門の言葉に仁ノ助は何も返さず、近場の窓から帳を下ろす夜空を眺める事にした。

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