※「三木ヱ門と文次郎について語る」ネタ


「おやまあ」

 さあ今日も元気良く蛸壷を掘ろうと、いい場所を歩き探していた綾部は、珍しい光景を見かけた。

「それでさ、文ちゃんったら『俺伸君といるほうが好きだよ』って超笑顔で言ってくれて!」
「何それ可愛い……! 幼い頃の潮江先輩可愛い……!」

 同級生の三木ヱ門が、何やら六年生と話し込んでいる。聞こえて来る会話の内容が彼の好きな火器についてなら「ああ、オタク談義ね」と納得したが、それとは全く趣が異なる、三木ヱ門が所属する委員会の委員長についてなのだから首を傾げざるをえない。
 六年生の顔はどこかで見たことがある気がするのだが、全く思い出せない。少なくとも委員会に所属している先輩でないことは分かるのだが。

「まっ、いっか」

 深く考えても仕方ないので、綾部は思考を蛸壷へと戻す。思い出して気が向いた時にでも三木ヱ門に聞けばいいだけの話なのだから。

 この数日後、今度は三木ヱ門だけでなく彼の委員会の後輩達が混ざり、更にその数日後には己が所属する委員会の委員長までもが混ざっているのを見かけることになるのだが、それに対する綾部の言葉はやっぱり「おやまあ」だったらしい。

20130201
何故か綾部メインになっていた。
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