文次郎
「伸一郎には後で問い詰めることにした」

仙蔵
「ああ、そうしろ文次郎。そのついでに息の根を止めて来るが良い」

文次郎
「いや、流石にそこまでは……」

仙蔵
「さて、文次郎も落ち着いた所で次の発表に移ろう。17票と同一票獲得で同時四位、その内の一組は」

文次郎
「……はあ、個性派揃いの学年」

仙蔵・文次郎
「田村三木ヱ門・綾部喜八郎・平滝夜叉丸・斉藤タカ丸の四年生です」

三木ヱ門
「司会進行お疲れ様です、潮江先輩。見事な息の合いようお見事です!」

滝夜叉丸
「四年生が四位にランクイン出来たのは、間違いなくこの私平滝夜叉丸の美しさのせいであろう! ああ、何て罪な美しさなんだ、画面向こう上の人達までも虜に――」

綾部
「滝はそこまで出てないけどね。せんぱい、ここ掘っていいですかあ?」

タカ丸
「あっ、文次郎君また髪の手入れしてない! 昨日より枝毛が増えてるよ!」

文次郎
「……」

仙蔵
「……」

三木ヱ門
「先輩? どうかなさいました?」

文次郎
「……いや。何でもない。タカ丸、今はアンケート発表で忙しいからまた後でしてくれ」

タカ丸
「えー、しょうがないなぁ。絶対後で手入れするからね!」

仙蔵
「……喜八郎、ここを掘ってはいけないよ」

綾部
「はあい」

文次郎
「……平は」

三木ヱ門
「あいつは放っておいて構いません」

綾部
「さっさと次行きましょー」

仙蔵
「……文次郎、こいつらの言う通り先に進むとしよう」

文次郎
「……おう。コメントは全部で3つだ。先ずは一つ目だが……」


【三木と文次郎について語って欲しいです】


三木ヱ門
「勿論その予定です、お任せください!」

文次郎
「えっ?」

綾部
「勿論なの?」

三木ヱ門
「当然だろ。何と言っても松平先輩は潮江先輩の幼馴染み、私達の知らない潮江先輩をたくさん知っているんだ。潮江先輩の右腕たる者、是非とも聞いておかなければ!」

綾部
「僕は立花先輩の右腕になりたくないなあ、面倒だし」

タカ丸
「あっ、じゃあ僕は兵助君の右腕だね」

滝夜叉丸
「七松先輩の右腕か……。ふっ、あの暴君に着いて行ける後輩は私だけということだな、然しそれも当然! 何と言っても私は学年一優秀であり――」

綾部
「滝、ウザい」

滝夜叉丸
「ウザいとはなんだウザいとは!」

三木ヱ門
「喜八郎は何も間違ったことは言っていないぞ、滝夜叉丸。実際後輩からウザがられているじゃないか」

滝夜叉丸
「ふっ、分かっていないな三木ヱ門。あれは私の美しさに――」

綾部
「はい、次行きましょー」

滝夜叉丸
「喜八郎ー!」

仙蔵
「……はあ、文次郎頼む」

文次郎
「……ああ」


【個性派に凡庸故に懐かれるとか】


文次郎
「伸一郎は凡庸じゃない、失礼な!」

仙蔵
「お前が真っ先に否定してどうするんだ」

綾部
「ねー、三木ヱ門。伸一郎って誰?」

三木ヱ門
「松平先輩のお名前だ。ほら、潮江先輩が帰ってきた時に一緒にいらっしゃっただろ?」

滝夜叉丸
「……いたか? そんな先輩」

タカ丸
「えーっと、確か三木君が前お饅頭分けてた人だよね? あの人が文次郎君の幼馴染みなんだ」

滝夜叉丸
「……駄目だ、思い出せない」

綾部
「同じく」

三木ヱ門
「お前等な……仮にも先輩に対して失礼だろうが!」

タカ丸
「まーまー、落ち着いて三木君。接点が無いんだから仕方ないよ」

三木ヱ門
「……そうかも、しれませんが……でも……」

文次郎
「案ずるな、三木ヱ門」

三木ヱ門
「潮江先輩……」

文次郎
「こいつらが知らない、すなわち凡庸であるとは限らない……! そうだよな仙蔵!」

仙蔵
「……次のコメントに移ろうか」

綾部
「おやまあ、潮江先輩スルーですか立花先輩」


【13歳ぐみが大好きです】


滝夜叉丸
「有り難うございます! これも私の美しさと優秀さが四年生を光り輝かしているお陰だな!」

綾部
「これ滝だけに向けてのじゃないからね」

タカ丸
「……えっと、これ僕も含まれるのかな?」

三木ヱ門
「きっと四年生のことだと思いますので、深く考えることはないと思いますよタカ丸さん」

タカ丸
「……うん、そうだね。僕達のこと好きと言ってくれて有り難う!」

三木ヱ門
「学園のアイドルとして、そして潮江先輩の右腕として、皆さんの期待に応えていきます」

綾部
「僕は蛸壷掘りに行きたいでーす」

滝夜叉丸
「……喜八郎、それは単なるお前の願望だ」

仙蔵
「……やれやれ、何とか収まりそうだな」

文次郎
「……」

仙蔵
「文次郎、お前も毎回毎回拗ねるのは止してくれ。いい加減宥めるのも億劫なんだが」

文次郎
「拗ねてねえ」

仙蔵
「それが拗ねると言うておるに、全く……」

20130130
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