仙蔵
「さて文次郎、落ち着いたか?」

文次郎
「ああ。少し我を忘れてしまってすまなかったな、仙蔵」

仙蔵
「あれを少しと表現していいのか甚だ疑問だが、まあいいだろう。次は確か……第五位だったか?」

文次郎
「うむ」

仙蔵
「では発表しよう、第五位は……」

??
「ちょーっと待ったー!」

文次郎
「むっ、どうした」

仙蔵
「私達のどちらも怪我はしていないぞ?」

??
「怪我したら怒ってます! そうじゃなくて、まだ六位発表してないよね!? 次は僕だよね!?」

仙蔵・文次郎
「……あっ」

??
「『あっ』じゃないよもう!」

文次郎
「……第六位は学園きっての不運の持ち主」

仙蔵
「六年は組の善法寺伊作だ」

伊作
「何事も無かったかのように進めた!?」

文次郎
「投票数は全部で12票。良かったな、伊作」

仙蔵
「コメントも二つ届いているぞ」

伊作
「えっ、本当かい? 皆さん僕に投票してくれて有り難うございます、嬉しいです」

仙蔵・文次郎
「(これだから阿呆は……)」

伊作
「それで、どんなコメントが来たんだい?」

文次郎
「……正確にはお前宛てじゃなく、六は宛てと六いは宛てだ」

仙蔵
「折角の機会だ、一人一人コメントに答えてもらおうと先程文次郎と決めてな」

伊作
「そっか、それでも嬉しいよ」

文次郎
「一つはお世話になっている風楔紅那様からだ」


【犬猿!といきたかったけど六はで(^q^)】


伊作
「有り難うございます! 松平とはあまり話したことないけど、クラスメイトだし仲良くしないとね」

文次郎
「犬猿……」

仙蔵
「……文次郎、その『犬猿』はお前と留三郎のことだからな? 決して私と松平のことではないぞ?」

文次郎
「……駄目か?」

仙蔵
「駄目だ」

文次郎
「……次のコメントいくぞ」

伊作
「……あれ? なんか文次郎不機嫌になってない?」

仙蔵
「放っておいて構わない、拗ねてるだけだ」


【文ちゃんと主人公君付けで呼びあっている二人だけど、またある日から主人公が急に文ちゃんと全く言わなくなり、仙蔵達の前で文次郎が泣き出す】


文次郎
「……っ!?」

仙蔵
「……これは……」

伊作
「あっ、これはネタだね? うーん……文次郎って呼び名に拘りないし、呼ばなくなっただけで泣くなんてないんじゃないかな? そもそもまず『文ちゃん』呼びに怒ってる気がするよ。ねえ仙蔵」



文次郎
「……? ……っ!? ……っ!」

仙蔵
「落ち着け、落ち着つのだ文次郎。これはネタであり実際起きるとは限らない、もしあれば私が何とかしてやるから、なっ?」



伊作
「……もっ、文次郎? えっ、涙目ってどういう、えっ、はっ? 本気で泣いちゃうの? あの文次郎が!?」

仙蔵
「……はあ。伊作、あいつの愛称呼びは親愛の証、名前呼びは本気で怒っているか真剣な時らしい」

伊作
「そっ、それで?」

仙蔵
「今文次郎は松平に嫌われたのかと混乱しているんだ」

伊作
「……どうしよう、仙蔵」

仙蔵
「なんだ?」

伊作
「文次郎がちょっと可愛いって思っちゃった」

仙蔵
「……」

20130130
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