<後日談@> ※委員会その後(回想) 「ほぉ、甲太と乙太が『双忍』になると言い出したんですか」 「何とかしてくださいよ、あいつら。文次郎が間違った覚え方をしちまって……」 「その文次郎ですが、落ち込んでいるみたいですよ? 何かあったのですか?」 「あっ、そっちの方は俺も知らないんっすよ。さっきまで元気だったんすけど」 「なっちゃん、大丈夫ー?」 「どこか痛いのー?」 「いえ、大丈夫です。……仁先輩」 「……なんだ?」 「伝わらないのって、凄く辛いものなんですね……」 「一年生、しかも文次郎の背中が黄昏れてるだと……!?」 「これは、よっぽどのことがあったんでしょうね」 「なっちゃん、元気出して!」 「僕達が相談に乗るよ!」 「……」 <後日談A> 伸一郎と文次郎 「伸一郎、双忍の意味は知っているか?」 「おう、本来は術の名前で、二人組の忍者のことは指さないだろ?」 「……良かった、ちゃんと知っていたんだな」 「何気に失礼だな、文ちゃん。でもさー、双忍って二人組の忍者って意味の方がしっくりくるよな」 「だが二人組の忍者なんて、こーた先輩とおーた先輩位なものだ」 「……あー、なんで術の名称になったのか、今何と無く理解した。術でじゃなきゃ、二人で行動することもないのか」 「四人組パトロールもあるが、あれも体制だからな」 「……今改めて、忍者って孤独な存在だと思った」 20130507 prev 栞を挟む next [目次 表紙 main TOP] ![]() |