▼キャラレス

伸一郎
「一年生共はどっか行ったし、この隙に大人の話をしようじゃないか文ちゃん」

文次郎
「それで何故俺観察日記を取り出すんだ」

伸一郎
「いや、向こうの文次郎君に稚児趣味とか書かないでくれ的なことをお願いされたんだけどさー。
 俺生々しいことはこの『文ちゃんのイヤンな体験記録集』にしか書いてないつもりだったんだよ」

文次郎
「その題名がアウトだ」

伸一郎
「『文ちゃん性生活記録集』の方が良かった?」

文次郎
「俺が遊び人のようだから止めてくれ……というかお前、まさか……!?」

伸一郎
「文ちゃんの店出入り数から関係を持った女性の素性まできっちり調べてあります(ドヤァ」

文次郎
「ガチな犯罪ストーカーだこいつ……!」

伸一郎
「大丈夫、見てはない。ただ情報を提供してもらってるだけだから!」

文次郎
「それでもアウトだろストーカーだろ! なんでそこまですんだよお前は俺の恋人か!」

伸一郎
「幼馴染みです!」

文次郎
「幼馴染みはそこまでしねえよバカタレ!」

伸一郎
「それは置いておいて、だ」

文次郎
「置くなよ! 頼むから犯罪行為だけは止めてくれ!」

伸一郎
「俺は向こうの文次郎君に『文ちゃん成長記録集』にもイヤンなことを書いていると疑われているんじゃないかと思ってさ。それは誤解だ、と是非とも訂正したい訳よ」」

文次郎
「おい、嫌な予感しかしねえぞ」

伸一郎
「だから手っ取り早く、『文ちゃん成長記録集〜六年生編〜』と『文ちゃんのイヤンな体験記録集〜六年生編〜』を向こうに送って、俺はちゃんと区別して書いてますと分かって頂こうかと――」

文次郎
「ふっざけんなー!」

伸一郎
「だめ?」

文次郎
「だめに決まってんだろ! しかもなんで六年生編なんだよ! 向こうの『俺』が誤解されたらどうするんだ!」

伸一郎
「ちぇー」

文次郎
「ちぇーじゃない! 向こうの『俺』がお前はストーカーじゃないって否定してくれたのを無下にするつもりか!?」

伸一郎
「……そうだった、やっぱ送るの止めるわ」

文次郎
「そうしてくれ……」

伸一郎
「でもさ文ちゃん」

文次郎
「あ?」

伸一郎
「誤解されるようなことをしている自覚、あったんだな」

文次郎
「……」



伸一郎
「にしてもおっそいな一年生共。どこでなにして――」

団蔵・左吉
「潮江せんぱーい!」

伸一郎
「――と言ってたら帰ってきた」

文次郎
「お前らどこ行って――!?」

団蔵・左吉
「先輩、これどうぞ!」

団蔵
「食堂のおばちゃんにいれていただいた、」

左吉
「食堂のおばちゃんお勧めあっつあつのお茶です」

伸一郎
「……えっ、えーっと、お二方? 何故そのようなものを……?」

団蔵
「向こうの潮江先輩が、潮江先輩が猫舌だって言っていたので!」

左吉
「本当かどうか確かめようと」

文次郎
「……」←顔を青ざめて一歩後ずさる

団蔵
「さあさあ潮江先輩! 一気にぐぐっと行っちゃってください! ぐぐっと!」←確信犯

左吉
「先輩なら飲めますよね? だって先輩が氷入れるのは、冷たいものに慣れる鍛練をしているからですよね?」←天然

伸一郎
「(うわー、加藤君のニヤニヤ顔が……つうか任暁君のあれ、嫌味でも何でもなくて、本気で文ちゃんが鍛練の為に入れてるって信じてる目だし……)」

文次郎
「……っ、分かった」

伸一郎
「えっ?」

団蔵
「あっ」

左吉
「あっ」

文次郎
「〜〜っ!」(←お茶を一気に飲み干した)

伸一郎
「もっ、文ちゃーんっ!?」

文次郎
「……飲んだぞ。これで満足か?」

団蔵
「あっ、あれ〜?」

左吉
「ほら見ろよ団蔵、潮江先輩は猫舌なんかじゃないだろ」

団蔵
「でも、向こうの潮江先輩が〜」

左吉
「多分だが勘違いだろ。ですよね、先輩?」

文次郎
「……」←コクリと頷く

左吉
「なっ?」

団蔵
「……でもなあ、なんか」

伸一郎
「あー! 文ちゃんばっかりずるい! 俺も飲みたい! ななっ、加藤君に任暁君! 俺にも持って来てくれねえ? なっ、頼む!」

団蔵
「えっ、あっ、はい……」

左吉
「いいです、けど……」

伸一郎
「さっすが文ちゃんの後輩達いい子だな! という訳でお願いします!」

団蔵
「えへへ……、じゃまた行ってきますね!」←褒められて嬉しい

左吉
「あっ、おい団蔵! 一人で先行くなって!」



伸一郎
「……よし、行ったな。文ちゃん、もう後輩達いないぞ!」

文次郎
「〜〜っ!!」←無言で伸一郎に泣きつく

伸一郎
「よしよし、よく頑張った。舌火傷しちゃったな、後で蜂蜜舐めような。あそこで飲んだ文ちゃん、本当偉いぞ」

文次郎
「〜〜っ!」

伸一郎
「うん、痛いよなー後もうちょっと我慢してな。
 それでは秋桜さん、感想というか単なるネタな感じになってしまいましたけど、如何だったでしょうか? 少しでも楽しんで頂ければ幸いです。
 それでは、また!」



非常に長くなってすみませんでした! 秋桜様、有りがとうございました!


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