▼キャラレス

竹谷
「正直俺が返事していいのか微妙だけど、松平先輩に言われたしな……。
 ええと、潮江先輩怒ってないから気にしないで大丈夫そうだぞ。
 ポケモンの世界に行く機会があったら、飛行ポケモンと水ポケモンを捕まえるのがオススメだな。移動が楽になるし。RPGパロだと『土属性』の攻撃魔法使えるんだから、地面ポケモンや岩ポケモンもいいと思うぞ」

鉢屋
「こっちの八左ヱ門は、電気タイプ専門だけどな」

竹谷
「サイトによってそこは代わって来るだろ。第一俺だって手持ちになるのが電気タイプなだけで、他のタイプのも生物委員会で育ててるんだからな」

鉢屋
「その他のタイプを育てている八左ヱ門君に聞くけど、オススメのポケモンは?」

竹谷
「あー、向こうの『俺』がRPGパロで土属性だから、ここは地面か岩で考えて……。あっ、新しい世代のは分かんないだろうし、ジョウト地方までで限定するか。
 ……とすると、サンドパンとか」

鉢屋
「ああ、お前のそのどうしようもない髪とサンドパンの背中のトゲが似ているから……」

竹谷
「ちげえよ! 確かに種族値はパッとしないけど、見た目の可愛さから人気だし、技のレパートリーも豊富で秘伝技もたくさん使えるんだ。ギリギリ小型だから連れて歩けるし、向こうのオリキャラの幼馴染みさんだって気に入ると思って……」

鉢屋
「そんなこと言って、本当はトゲと――」

竹谷
「しつこいぞ三郎! お前こそ、選ぶとしたらどうなんだよ!」

鉢屋
「俺? 向こうの『俺』はゾロアになれるんだから、ゾロア一択だろ」

竹谷
「……ああ、そうだった。向こうのネタは凄かった……」

鉢屋
「それと同じように考えると、向こうの『潮江先輩』はグラエナだな。でも雷属性らしいから、ライチュウ……は可愛すぎるか。でも不憫な所は一緒だよなー」

竹谷
「向こうの『潮江先輩』はサンダーだろ。伝説ポケモンで強いし捕まりにくいし、素早さが中途半端な所もそっくりだ」

鉢屋
「……八左ヱ門、お前……」

竹谷
「……はっ、違うんだ! 前向こうの『潮江先輩』は素早さよりも攻撃重視ってあったから! いやこっちの潮江先輩もそうかもしんないけど深い意味はなくて!」

鉢屋
「ご冥福をお祈り申し上げます」

竹谷
「違うんですそうじゃないんですごめんなさーい!!」



伸一郎
「……だ、そうだけど文ちゃん」

文次郎
「……あー、竹谷。そこまで気にするな。向こうの『俺』も分かってくれるはずだ」

竹谷
「こっちの先輩は分かってくれても向こうの『先輩』はどうか分かりませんって! だって『ジンオウガ先輩』なんですよ!?」

文次郎
「……はあ、分かった。ならもしもの時は俺を盾にしろ。それでいいだろ?」

伸一郎
「どこがいいのかさっぱりわかんねー」

竹谷
「……ジンオウガVSギャラドス……どっちが勝つんだろう……」

鉢屋
「どっちも強いな」

竹谷
「ああ、かなりの好カードだ」

文次郎
「よし、落ち着いたな」

伸一郎
「だからなんでそれで納得するんだよ。めっちゃ向こうの『潮江君』に失礼だろ。
 なんかもう本当ごめんなさい」

鉢屋
「……松平先輩はあれですね、『恋愛アレコレ〜』のRPGパロに当て嵌めると、闇属性って感じですよね」

伸一郎
「どの辺りが?」

鉢屋
「黒い霧を発生させて、敵から逃れる魔法を使える辺りが」

伸一郎
「うわぁ、それ何という俺」

竹谷
「先輩の得意武器は鎖鎌だから、武器スキルは鎌ですね」

伸一郎
「俺、刃物の婉曲部分が超好きなんだよね。特に愛用している鎖鎌の婉曲具合がたまんない。だからアブソルも大好きです」

文次郎
「何だそのいらん好みは」

鉢屋
「鎌は確か、幽霊・精霊タイプの魔物に効果的でしたから、松平先輩にあってますね。潮江先輩絡みの意味でも」

伸一郎
「……ふむ、確かに文ちゃんは幽霊・精霊タイプに弱そう。つうか苦手そう、ウッカリ隙見せてとり憑かれそう」

文次郎
「悪かったな!」

鉢屋
「残りのですけど、松平先輩には補助スキルが似合いますね。特に開錠・交渉・トラップの三つ。
 完全逃げ専門かつ潮江先輩の補助役の出来上がりー」

竹谷
「……すみません、凄く先輩らしいと思いました」

伸一郎
「大丈夫、俺もそう思った」

文次郎
「……いや待てお前ら、これはキャラレス――」

鉢屋
「ここまできたら能力値まで考えましょう、先輩。寧ろ入学願書出しましょうよ、サイト交流の機会です」

竹谷
「六年生なら能力値の合計が40以上を超えないように割り振るらしいですよ。俺達五年生なら35なのか」

文次郎
「――だから主旨が違う! 話がズレすぎてる!」

伸一郎
「能力値……40を超えなければピッタリじゃなくてもいいのかなー? 合計38くらいが丁度いいんだよなー」

鉢屋
「フムフム……そこは向こうに聞かないと分かりませんね」

竹谷
「一応40ver.の方を考えておくとして、ここでは合計38の場合のを……」

伸一郎
「だとすると、
 攻撃=7 防御=6 知力=5
 精神=4 素早さ=9 運=7
 くらいかなー。俺結構素早さには自信あっから、ここは大目にみてちょーだい」

鉢屋
「素早さ=逃げ足?」

伸一郎
「オフコース!」

文次郎
「――だめだ、こいつらもうだめだ、手に負えん……」

ギャラドス
「ぎゃおおん……」

文次郎
「ああ、ギャラドス、慰めてくれるのか……。何時も悪いな」

伸一郎
「という訳で秋桜さん、あとで入学願書提出しに伺いますので、宜しくお願いします!」

文次郎
「ギャラドス、『はかいこうせん』」

伸一郎
「――っていきなり攻撃!? てか死ぬそれ死ぬ本気で死ぬからマジ死ぬから!!」

文次郎
「死ぬ気で回避しろ」

ギャラドス
「ぎゃぁああああん!」

伸一郎
「無茶苦茶ぁあ!!」



竹谷
「――三郎、俺思ったんだけどさ」

竹谷
「ん?」

竹谷
「こっちの潮江先輩が何かと怒らないのって、松平先輩が代わりに引き受けてくれてるからじゃ……」

鉢屋
「……そういうことにしておくか」

竹谷
「……松平先輩、後で春画本持っていきますから!」

伸一郎
「あざーすっ!」

文次郎
「懲りないなお前」


続きます。


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