『コ/ナ/ン/と!』 妄想の始。 (『よ/つ/ば/と!』パロ) ガタガタと荷台に大量の家電製品や生活必需品やらを乗せたトラックが、米花の町をのんびり走る。 助手席の窓から、流れる景色を物珍しそうに眺めていた眼鏡をかけた少年が、ワクワクしながら運転席に向かって話しかけた。 「新一、スゲー人が一杯いるぞ?!事件か!?」 「いや、学校だな」 「ガッコー?」 「オメーも来年から通うぞ、小学校」 「へぇ」 ・・・ ・・・ 「さー、ここが新しい家だ!」 「おぉ、ここが…」 キキッとトラックを止めて一軒家を見遣る。 すると、助手席を覗き込んできた人物がいた。 「結構早かったな。車酔いしなかったか?コナン」 「あ!京極じゃねぇか!久しぶりだな」 バタンとドアを閉め、運転席から出てきた青年は一軒家の鍵を開錠しようと足を向けた。 助手席からポンっと飛び出してきた少年は、京極と呼んだ男に飛びつく。 「相変わらずデケーな!何食ってんだ?!」 「コナンは、少し大きくなったな」 大きいのと小さいのがじゃれ付いている光景はナカナカ面白いなぁと思って、青年が家のドアに手を掛けると、なんと、鍵を開けていないのに内側から扉が開いた。 「?!」 「待ってましたよー!工藤せんせーい!!」 扉の向こうから、こちらも飛びついてくるスーツ姿の男。 「てめ、黒羽ァ?!何で、ここにいやがる!つーか、今どこから出てきやがったァッ!!」 「もう、センセが引っ越すっていうから、俺スゲー急いで転勤願い出しましたよ。工藤センセの担当だけは誰にも譲る気無かったからね!」 「あ。黒馬鹿だ」 「ああ、馬鹿だな」 「担当代えろって、編集長に言ったぞ、俺」 「無理無理無理無理俺が無理ィ!!」 「クソッ、文句言ってやる」 「まぁまぁ、ホラ、引越し手伝うから!早く運んじゃおーよ。掃除は済んでるから運んだらいいだけだし!」 「…オイ、テメェいつから?」 「細かい事は気にしなーい」 言うが早いが、黒羽はトラックの荷台にヒラリと飛び乗って荷物を解き始める。コレってどこ?とか聞かれて、工藤は聞かれるままに共に作業を開始した。 「あー流されそう」 「流されるな、ありゃ」 コナンは京極に肩車されながら、ストーカーからの脱出に失敗した養父をヤレヤレと眺めた。 |