呟く掲示板よりサルベージ 突発会話SS・加筆修正有 ■3年後・一幕■ 先生が学校建て直し(の賭け)の為に生徒をこき使う事三年弱。 卒業式目前。 工藤先生の部屋でジュースで前祝。 (「快斗」⇒「黒羽」呼びしてます) *** *** 「卒業か…良かったなァ、黒羽、卒業オメデトウ!」 「まぁな、予行演習もバッチシだし、答辞くらい屁でもねーな!」 「問題行動起こして転校してきた不良馬鹿のお前が、答辞読んで、最高学府に進学って、もうミラクルだな!俺の鞭撻指導の賜物だな!感謝しろよー黒羽ァッ!」 「アハハハハ、進学率UPの為に陰日向に、まんま教鞭って鞭振るわれたお陰だよな、この野郎!先生にガッコの不穏分子の掃除だの面倒くさい事押し付けられながらも、俺頑張ったからね!」 「ホント、黒羽は最高の生徒だったぜ?サンキュ!」 (黒羽、机を挟んで座っていた工藤の隣にズズイっと移動) 「うんうん、あのね、新一くん。俺もいい加減、そういうアリガタイお言葉だけで喜んじゃう段階超えてんだけど?」 「ん?」 「可愛らしく首傾げてんじゃねーよ。ゴホウビの時間だろ?」 「オメデトー。アリガトー。」 「うわッ!だから言葉だけじゃなくて、態度で示せってんだよ」 「しゃーねーな…ホラ、頭撫でてやっから」 (髪の毛くしゃくしゃ、ナデナデ) 「…ッだーーーアアァッ!」 「どうした、黒羽。もんどり打つな、キモイ」 「そんな、誤魔化しが嬉しいとか、俺の馬鹿!キモイとか言われても、何か慣れちゃってて可哀想!」 「…コレ、酒入って無いよな?」 「入ってねーよ、酒なんか」 「おお、どうした。キモイタイム終りか?」 「いやいや、ゴホウビタイム」 「やったろ、今」 「足りねぇよ。新一くんごと下さいよ」 (どさっと黒羽が工藤に乗る) 「阿呆か。…退け!」 「どきません!」 「てめ…?…っ?!」 「おお…!効いてきた?!あ、酒は入ってないけど、気持ちよくなるお薬は入れました!」 (*薬の製造元は灰原くんです) 「オイコラ、なに」 「だって、身長くらいしか超えられなかったし!新一くんが、カチッとした服で体格誤魔化してるのは気付いてたけど、華奢な癖にやっぱ力じゃかなわねーンだもん」 「モンじゃねぇ、何してやがる!?」 「ゴホウビくれないみたいなんで、俺の童貞あげようと思って」 「いらねぇ!!」 「先生に尽くしすぎて、青春しまくれるはずの高校時代、全篇チェリーだったし、責任取ってくださいねー」 「青春できたろ?!トモダチだって、出来た、んだ・・し」 「その!あの!お友達の白馬くんに、先に大人になられた切なさ汲んで、大人しくヤラレて下さい」 (ピタリ、と工藤の抵抗が止まる) 「…マジか」 「マジです」 「…そうか…、ンッ」 「そんな可哀想なものを見る目で、イキナリ無抵抗になられると、かえって辛いんですけどー!?」 *** *** 「…新一くん、その…怒ってたりとか、する?」 「いや、つぅかヤル前に聞いとけばよかったんだが、どっちが良かった?」 「へ?いえ、上で満足してますけど!?」 「馬鹿が。そういう意味じゃねぇ」 「ってゆーと??」 「加点式か減点式かだ」 「…点?え、採点!?まままさかッ」 「まぁ、ホラ。俺、先生だし、な?」 「勘弁してください。ぜってぇ言うな!いや、言わないで下さい!お願いだから!!何か、聞いたら二度とタたなくなる気がする!!」 「遠慮すんな。五段階評価のほうが希望か?」 「心底慎んでお断る!」 「ふぅん」 「……いやいや、でも気になるけど、でも、いや……ヨカッタのかなーとか…」 「あ、薬使ってる時点で採点外だった。カンニングみてーなモンって気がしねぇ?」 「…ハイ。その…すいません」 「だから評価はまた今度な」 「…こんど…また…?またシテいい!?」 「酷評覚悟出来るなら、な」 「ぅうッ!する。酷評でも何でも良い。また、ってかずっとしたい。毎日したい。一生してたい」 「…へぇ」 「あのさぁ…そんで満点取ったらさ、」 「ん?卒業試験まで用意しとけってか?」 「違くて!……いや、でも卒業?…んー…確かに生徒のまんまじゃ駄目だよな…解った、俺満点目指すから!」 「おーおー、まぁ、適当に頑張れよ」 **↑の3年後あたり** 「どぉ、…だった?」 「…ッに、が」 「定期考査確認みたいな?たまに聞かないと…何か、良さそうだった時には特に」 「加点式で、9割ぐれー」 「…こないだ、減点で9割五分とか言ってなかったか?…なんっか、進歩してるはずなのに、全然満点取れる気がしねぇんですが」 「欲しいのか、満点」 「うん。だってさ、」 「卒業してーのか」 「そりゃ、そろそろ3年も経つし」 「あー…ちょうどお前コキ使ってた期間分?」 「…そんな事もあったな。据え膳で人参ぶら下げられた馬並みに働かされてたよなぁ…今もあんまり変わらない気がすっけど!」 「じゃ、やる。今日の満点でいい」 「マジで!?…って、え…新一くん、なんでそんな顔してんの…?」 「別に?普通だ。んじゃ、サヨナラな、快斗…、黒羽クン」 「は!?」 「卒業オメデトウ?どこへなりとも行っちまえ」 「はぁあああ?!どこに行くんだ、何の話だよ!」 「……」 「だから、何でンな顔…あのさぁ?俺、新一くんが満点くれたら、生徒とか子分とか幼馴染とか卒業して」 「…して?」 「恋人になれるって思ってたんだけど…」 「…は?」 「違ったのか?」 「そーだったのか?」 「…新一くん?」 「黙れ、何か言ったら、張っ倒す!」 「うん…あの、愛してる、よ?」 「黙ってろ!」 「真っ赤…」 「倒すッ!」 ***らぶ?END*** *卒業式余談* 「あ!灰原くん、薬ありがとう!」 「…本当に使ったのか?」 「もちろん。使わなきゃ、あの人押し倒すとか無理だったからな!」 「堂々と男らしく言ってるその内容が男として非常に情けない事は解ってるのか」 「もちろんだとも!」 「……(駄目だコイツ)で?何か用かい。苦情かな。ああ、答辞はナカナカ良かったよ」 「そりゃ、どーも。(苦情?)あのさ、新一、いやいや工藤先生?が、薬の余分は返しておけって煩くてさー」 「わざとらしい名前呼びとかどうでもいい。…僕に返せって?先生が?」 「そう。ホイ」 (謎の粉の入った小瓶が快斗から灰原少年の手に) 「棄てても良かったのに」 「その辺に棄てたり流したりしちゃマズイのかと思ったんだけど」 「いや。渡すときにキミにも言っただろう。別に必要ないなら、水道にでも流せって。使ったんなら、わかったろ?大した薬じゃないってさ」 「…?効いてたみたいだぜ?」 「…え、まさかヤレたのか?!」 「じゃなきゃ、礼なんか言うわけねー」 (ニカっと満たされたように笑う快斗を見て、脱力する灰原) 「……ああ、そういうことか。馬鹿馬鹿しい。」 「え?」 「キミが使用分量を守ったなら、工藤先生が身体が痺れてた時間は5分程度だっただろう」 「…へ?気持ちよくなる…の、は」 「僕に死ねと?あの人が余りに不利なるモノを、キミに渡す必要なんかないさ」 「あれ?ええ…?!だ、だって」 「おめでとう。惚気とか聞く気ないから、僕はこれで」 (両想いだったなら、自分の口で言えば良いだろうに、あの先生も!) 「…まさか、なぁ?」 *半信半疑なままで恋人になるまであと三年弱* |