□息ピッタリ□ 「どうしましょう…凄い映画の話がきたわ…!」 「ふーん」 「ちょっと!新ちゃん!どっかの名も無い監督とか、錆びれたスタジオじゃないのよ!?」 「へぇ…ドコなんです?」 「あ!の!○ォルト○ィズニーよ!?凄いでしょう!?」 「うっわ!スッゲェ!!マジー!?」 「マジなのよ!ホント、どうしましょう!?」 「でずって…マウスの?人間も出るのか?あそこのって」 「江戸川くんのイメージはランドだけなのね…。映画って、吹き替えじゃなくて?」 「違うの!○ィズニー映画の実写を、こなんちゃんで撮りたいって!もう新手の詐欺かと思って、別ルートで確認しちゃったくらいよ」 「まぁ…じゃあ今回は受けるのかしら?」 「え…ヤダぞ」 「いーじゃん、一気に超一流の仲間入りじゃん」 「でもね、出演条件があるのよねー」 「条件…ねぇ?」 「やっぱ…詐欺じゃねーの?」 「こなんちゃんに変な営業させたら駄目ですよ、有希子さん」 「あのね、怪盗KIDも一緒に出演すること、なのよー!」 「…あー、なるほど」 「それは、話題作間違いなしねぇ…」 「…くそ!ネット流出した写メ画像とか、かなり消したんだぜ?!まだ海渡るほど出回ってんのかよ!?」 「日本であれだけ話題になればね…仕方ないんじゃないの。迂闊な怪盗さん?」 「写メ一枚でも結局、新聞に載るわ、手袋押収されるわの騒ぎだったしなぁ…」 「合成写真でも監督の目に止まったんじゃないかしら?姫が呼べば怪盗は現れるのでしょう、とか言ってるみたい」 「世間の誤解、まんまだな」 「それか!」 「すごくロマンチックな合成写真が出回ったものね…」 「ちなみに、どのタイトルなんです?有希子さん」 「『ラプンツェル』よ」 「お菓子?」 「…江戸川くんのはプレッツェルの事かしら」 「塔のお姫さまが嘆きを歌う窓辺に、大泥棒ならぬ大怪盗が訪れる…って事らしいわ」 「母さん…まさかミュージカルか?」 「半分くらいね」 「はははー…そりゃ断るしかねぇじゃん」 「もーう!折角のチャンスよ?!最初から諦めないの!新ちゃんったら!」 「撮影なんて何時間かかるか判らないし、無理ね。大体、歌う姫と怪盗の競演シーンはどうなるの?」 「全くだ。いくら不可能無しの大怪盗とはいえ…さすがになァ」 「ん?…ああ!そういう時はアレじゃねぇ?」 「なんだよ、迷宮無しの名探偵ー」 「オメーがコナンくんで歌ってる窓辺に、大人化した俺が怪盗に変装してだな…」 「江戸川くん…なに名案みたいに言ってるの」 「名探偵ってアレ?馬鹿?」 「そうして欲しいくらいだけど…いくら何でもアレよねぇ」 「わーってるって、アレだろ?」 『本末転倒』 ***終る?かも*** 息ピッタリで、全員の口から四字熟語が飛び出した。 |