探偵三人+α
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探偵三人。+いち。
※怪盗現場で偶々居合わせた探偵三人が事件後工藤さんちでキャッキャウフフ(違。してたら誰か来た。
※大阪っこと誰かが初対面だったら的な流れ。
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怪盗をひっとらえる現場で負け越した探偵三人が慰労会でもしようかと準備していると、一人の少年が訪ねてきた。
迎えた三人の探偵のうち、一人は苦笑い、一人は乾いた笑いを浮かべて、もう一人は不思議な顔だ。

どっかで見た気ィするけど…いややっぱ初めてみる顔やんなぁ、と思った慰労会の会場提供者の親友と自称している関西人は、とりあえず、素性調査を開始する。

「工藤くんって訊ねてきよったけど、自分くどーとどういう知り合いなん?」
「…おともだち」
「って、制服ソレ帝丹のとちゃうやろ?ちゅーか、何でこの時間に制服なん、自分」
「補導されっと面倒だから。塾の帰りですって見えるようにしてんだよ」
「補導なぁ…そのまま捕まったらオモロイのになぁ」
「面白くねーし。えーと?服部くんだよね、工藤くんの関西の友達の?」
「せや」
「どーも、初めまして。俺、黒羽快斗な」
「初めましてやったか?」
「だろ?」
「あー…確かに黒羽いう奴とは初めましてかもしれへんな」
「だろ!」
「で、どういう知り合いやねん」
「…ともだち。あーっと、そこの!後ろでニヤけた顔してる坊ちゃんみてーな奴と同じ高校なんだよ」
「二人おるがな」
「おい、服部テメェ」
「帝丹じゃねーほうって判るだろ」
「へぇへぇ、で?黒羽は白馬のともだちやから、ともだちのともだちはともだちで、くどーともオトモダチってことかいな」
「うっせー!ともだち連呼すんな!こっちが狙ってンのはそれ以上だ!」
「何や、親友の座は渡さへんぞ」
「いらねぇ!」

制服姿で深夜工藤家にやってきた少年に、関西出身の探偵は容赦がない。
玄関で通せんぼされたままの少年は、救いを求めるように背後でニヤニヤ笑っていた他二人の探偵を見る。
仕方ねぇな、と家主の方が動いた。

「そこまでにしておけ、服部。つぅか、台所のアレ焼け。放置すんな」
「お、悪ぃなくどー、待っとけや、今簡単なのにメッチャ上手い!っての焼いてやるからな」
「ん」

服部がキッチンの方へ引っ込んで行くと、少年―黒羽は面白く無さそうに、スリッパを提供してくれる家主―工藤に聞いた。

「…なに焼くの?」
「ホラ、上がれよ。ああ、服部が小麦粉に何か色々入れてた」
「お好み焼き?」
「みてーなやつだって」
「関西手料理でイメージアップか…」
「アイツがアレ以上関西をアップしてきても、今更な気がするが」

それで、と言って工藤は黒羽を見る。

「ともだち以上の何を狙ってるって?」

「……」
「…黒羽?」

「あ、俺も料理手伝ってきます…」

そそくさと服部を追っていく黒羽に、廊下に残った二人は肩を竦めた。

「工藤くんも容赦ありませんね」
「お前に紹介された手前、友達志願だと思ってたけど、違うみてーだし」
「僕もそう聞いてましたが、やはり違うのでしょうね」

そもそも彼のしている事を思えば、絶対に繋がりなど持ちたくない相手の筈なのだから。
それなのに、放課後彼と貴重本を貸し合う約束をしていた待ち合わせの喫茶店に、わざとらしく現れたクラスメイト。
顔見知りになって以降、頻繁にこの邸にも出入りしているという。

「ところで工藤くんは、彼をどう?」
「…秘密」


怪盗が唯一『名』探偵と賛じる少年は、人差し指を唇に宛てそう言って笑った。




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ナニガナンダカ!



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