姉と弟
「ホント、…容赦ねー、よ、アンタ」
「当然だろ。馬鹿なヤツに手加減なんぞしてられねーからな」
「佐藤、さんは?いた、よ、ね?」
「『怪盗』の最期を見た一人だから、朝まで聴取コースだろ。中森警部がすげー剣幕だったし」
「アンタ、は?」
「この眼で確認するまでは納得しません、つって、逃げた。後でモノクル持ってく」

 モノクル、と聞いて暗がりで座り込んでいた男がぴくりと反応した。その顔には先程まで揺れていた銀細工のそれは無い。爆風の衝撃にどこかに飛んだのは感じていたが、既に彼女に拾われていたのか。
 喉の奥を焼いたような煙は手持ちの水で吐き出していたが、まだ喋るのは億劫だった。全身がひどく熱い。防水かつ防火をしてくれる白い服を来ていても、燃料タンクをぶち抜いて上がった炎は高熱で、化学物質を多分に含んだ熱風に晒された眼や口の粘膜が訴える痛みと不快感は時間が経過する毎に増していた。死にはしないが全身状態は決して良くはない。
 だがそれを、男は彼を見据える女性に訴えようとはしない。また、彼女も大丈夫か、なんて優しい台詞を口にする事はしない。

「ねぇ、それ」
「やらねーよ。証拠品だ。スゲー熱だったみたいだな?少し、溶けてる」

 にべのない言葉に男は項垂れた。それは彼の父が遺した大事な品だった。他のシルクハットや衣装や仕掛けは炎の中に置いてきてしまったから、それだけでも手元に置きたかったのだが、それは許されないのだと冷たい言葉に思い知る。
 沈黙した男が座り込んだ非常階段の踊り場から、一つ、二つと階段を上った所に腰掛けて、彼女は話し出した。

「怪盗と同じモンを欲しがってた奴らは安室さんー公安に任せた。カルト教団の摘発はあの人達のお得意だから」
「あー、中森警部と、な、んか…動きの違うのが居たと思ったら、そっちか」
「ヘリの進行妨害は想定してたが、通信妨害は遣り過ぎだろ」
「邪魔、されたく…なかったんで、ね。ホント、余計な事、してくれたよな」
「バーロ、タワー崩落なんてことされたら被害甚大どころじゃねーんだよ」
「だから…撃ったの?」
「ああ。思ったよりヘリがタワーに近くて焦ったけど。ま、あの人なら状況読んで援護くれるとは思ってたけどさ」
「どっから、狙えるってんだよ、あの状況で」
「東都タワー」
「は…こっから1キロ以上、向こうじゃねー、の…マジかよ」
「標的が大きいなら問題ない、って言ってたからお願いした」

 けろりととんでもない事を言う女性に、とんでもない事をやってのけた彼女の同僚の存在に、男は身体ではない精神の衝撃と疲労に深く深く溜め息を吐いた。顔を上げられないから、床に向って。無理にでも口を開く事で、少しずつ呼吸を意識して身体に酸素を回していく。

「ー怪盗キッドは死んだぞ」
「……」
「捕まえてやろうと思ってたのに、コイツだけしか取れなかった」

 そっと男は顔を上げてゆく。眼を何度も瞬きさせて、視界を取り戻していく。最初に見えたのは黒いショートブーツに黒いパンツ。その膝に乗せられた手が、コイツと呼んだ銀の片眼鏡を握りしめている。身体のラインが分かるこれまた黒の革製の薄手のジャケット、肩からさらりと落ちている黒い髪。

「探偵が、追跡対象を死なすとか後味悪い結果になっちまったな」

 白く造作の整った顔は俯いて、ぽつりぽつりと言葉を浮かべる唇は化粧っけもないのにピンク色。

「ー昔、オレって、そんな風に自分を言ってた可愛げの無い女の子に、『名探偵』って言ってくれた弟がいたのに」
「昔?今だって、そう言うじゃん。それに、…弟にとっちゃ、ずっとさ、今も、その女の子は可愛い人のままだよ」
「馬鹿言ってんじゃねーよ」

 困ったような、少しだけ緩んだ口調で、彼女はじっと見つめて来る男に視線を返した。
 蒼い瞳は、場の照明の暗さを除いても、余りにも黒のソレに近かった。闇色。聡明な光を灯す慧眼ではなく、大きな憂いを、あるいは深い後悔を抱いて揺れている。

「……」

 自分の足で立たなくてはいけない。

 ー唐突に閃いた思考に、男は素直に従った。
 息を吸ってー吐いて。

「おい、無理をするな!」
「む、り…じゃない。平気」
「…快斗」
「ごめん」
 
 何とか立ち上げるも、背中は壁にひっつけたまま。体重は足ではなく、寄りかかった冷たい壁にお任せする。けれども、それでも、ちゃんと立ち上がった快斗を見た彼女は、漸く、その名前を口にしてくれたから、これでいいんだ、と快斗は思った。
 
 自分で決めたことだから、最後まで自分の手で、足で。
 そう伝えていた人に、無様な姿を晒し続けて良い訳がないのだ。

「ありがとう」
「…何が、だよ」
「我が侭をしたこと、なのに、今もこうして傍にいてくれること」
「ー殺したのに?」
「怪盗キッドはね、最初から、役目が済んだら退場する、って。決めてたから」
「1412号は、オメーだけの…いや、そもそもお前の名前じゃない。それを、オレが勝手に消したんだ」
「…幕引きまで、面倒みてくれる、とか。すんげ、お姉ちゃん体質だよな、って思う」
「ふざけんな」
「いいんだよ。…それで、それでいいんだ、新ねぇは」
「…ねぇちゃんって、呼ぶのかよ、いま」
「うん。馬鹿な弟だって、そう…思われて、るし」
「ーああ」

 ゆっくり階段を一つ、二つと降りて、彼女は苦しそうに壁に背中を預けたまま、それなのに嬉しそうに笑う『弟』の前に立った。
 『怪盗KID』はもういない。ついさっき探偵が彼を死なせてやったから。『黒羽快斗』が負うべき罪ごと。あるいは、彼の父親が背負っていた業を、そのまま全て押し付けた。だから今、探偵の目の前にいるのは、最深で身体を防護する為の黒衣装をボロボロで煤けたシャツから覗かせ満身創痍で立つ弟。

ー大いなる欺瞞だった。互いにそれに気付いていた。

「でもね、前に約束…は出来なかったけど、言った。よね?俺、ちゃんと、責任を取るよ」
「…死んだヤツが?」
「違うだろ?それをしたら、新ねぇ、探偵じゃなくなっちまうよ」

ー真実はいつも一つ、なのだ。
 ここで犯罪者を見過ごす者が、この先、真実を見抜き罪人を追い立てる事など出来るものか。
 それなのに目の前の探偵は、そうだなと頷いた。 

「ー構わない」
「な、に…言って」
「怪盗キッドを捕まえられなかったら、辞める、って決めてたから」
 
 弟は絶句して姉を見た。一体何を言っているのかと。確かに彼女はいつだって、全身全霊をかけて怪盗を追い掛けていた。何度も何度も牢獄の入り口ギリギリまで追い詰められたし、とんでもない窮地にだって追い込まれた。そこには、怪盗と探偵であること以外の繋がりも情けも一切存在しなかった。ー否、時に、怪盗が危険に晒された探偵を救おうとし、探偵が怪盗の偽りの不名誉を晴らすような、互いの存在を護るような、尊じ合うような場面はあったけれど。馴れ合うことは、互いに拒絶していたのだ。探偵は本気で怪盗を嫌い抜き犯行を阻止しようと動き回ったし、怪盗は探偵が彼の華麗なるショウへ介入することを許さなかった。

「駄目だ!」

 反射的に、快斗は叫び声を上げていた。直ぐに肺に負担がかかり、そのままゲホ、ゴホッと咳き込む。苦痛にじわりと涙が滲んだ。目の前の人の姿を映している視界が歪む。

「オメーに駄目だの何だの言われる筋合いはない」
「だって、新ねぇ、は!」

 子供の頃から彼女が読んでいたのは、謎解きがいっぱいの物騒な物語。読み聞かせはいつだって臨場感たっぷりの事件現場。一緒に並んで視ていたテレビには、たくさんの名探偵や警察官。遊んでよと強請ったら、『犯人はお前だ!』って格好良い台詞だよなと同意を求められてちょっと困ったホームズごっこ。
 なるべくして探偵になった人なのに。
 たかが怪盗一人を逃がしただけでその道を捨てて良い筈が無い。それくらいなら、いくらだって怪盗は彼女に捕まるべきなのだ。それなのに快斗の目の前の人は、「千影さんに頼んで、あの衣装の予備品とか改造銃とかは、処分してもらってるからな」などと申し訳無さそうに言う。

「な、に…」
「オメーを、怪盗と裏付ける証拠は、無い」
「俺が、いる」
「ーいや、居なかった」
「!」

 まさか、と快斗は瞠目して身を震わせた。怪盗自身が、怪盗が何者であるかを悟られぬよう工作していたのは事実だ。黒羽快斗と怪盗キッドを繋ぐ糸も出来る限り細くして、万一の事態が生じた場合、係累にー目の前の人やその家族にー害が及ばないように確かに快斗自身何度かそういった細工や演出を行った。海外にいってしまった弟が、工藤家には居た、と。
 ーだが、更にそこに警察の信頼厚き彼女の工作が加わっていたらー?その可能性を示唆する言葉に快斗は戦慄する。

「なんで、そんな」
「オメーが今更出頭すんなら、こっちも同罪…ま、どうしてもって言うなら、それでもいいさ」
「…ひでぇ。なんなんだよ…それじゃ、俺は、」

 罪を暴かれ、弾劾されるべき人間は快斗自身のみであるのに。勝手に道連れになることで、彼女は快斗の全てを拘束していた。どうしたら快斗が動けなくなるのかを、彼女は完全に見抜いていた。

「お前と黒羽盗一を繋いでいた怪盗の喪失を罰だと思え。贖罪は、どうしてもしたいんなら、いくらでもさせてやる」
「…何を」
「FBIもCIAも日本の公安もついでにウチの事務所の所長も、お前が持つ【情報】は、喉から手が出る程欲しいモンなんだとよ」
「……」
「【頭脳】と言い換えても良いんだろうな。…なぁ、F・メイソン、プルス・U…あと”D”か―身に覚えは?」
「…あぁ、アレかぁ。大したこと、知らない、よ?アクセスできる、ってだけ。少しお邪魔したかな、程度」
「アクセス出来るだけ、が可能な人間がそもそも珍しすぎんだよ」
「なら、それ知ってる、新ねぇだって」
「専門外だ。…で、今日捕まえた相手さん方、寸でで猿轡噛ませたのを除いて、全員自決したらしい。口の中に死ぬ手段を仕込んでるなんざ尋常じゃねぇって、変な組織紋章も出てきて捜査が難航しそうだから、海外から探偵の姉を手伝ってた弟の手を借りたい、ってさっき連絡が着た」

 苦々しい顔で、今日の捕り物の結末を口にする姉に、だろうな、と快斗は目だけで頷く。アイツらは狂信者だ。はてなき夢を叶えられる今日を逃したからといって、簡単に解散してくれる組織ではないだろう。とっくに人類など弊えているであろう次の一万年後の為に再び地下に潜って、きっとまた、くだらない石ころを探し始める。
 それでも今回の石は完全に失われた。だからこそ、あの場に居た者は自ら進んで命を断った。次の一万年先へ彼らが行けないことを知って。
 くだらない連中のくだらない理由で、大切な家族を、快斗とその母から奪ったアイツらに、最大の復讐を成し得たのだ。ボレー彗星の光を受け謎の光を溢れ出させた石。それを狂喜し見つめた狂信者。それを砕いた怪盗。ー驚愕に、喪失への恐慌に、身を戦かせ狂乱し憤怒して飛びかかってきたヤツらを見た時だけ高揚した心は、けれど既に萎んで、ただ残っているのは虚しさだった。
 焼け落ちて行く炎に呑まれかけながら、白い相棒達をとにかく逃がしてやって、いっそ、そのまま自身も墜落させてしまおうかと烈しい煙と彗星の緑の光が覆う空を見上げて諦めかけようとしていた。
 だが、あの時。
 上空から感じた視線。ずっと、最後のステージ上で怪盗を見つめていた目が、まだ逸らされること無く見つめている。―そう思った瞬間、身体は自身を生かす道へ向けてワイヤーを飛ばし、タワーの張り出している中空展望台へ転がり込んでいた。

「勝手に終らせた気になるなよ。オメーがやることはまだある」
「…新ねぇが、一緒じゃないなら、行かないって…言ったら?」
 
 『探偵を辞める』などという馬鹿な言葉を下げてくれるのかと言外に尋ねる。
 そうだなぁ…と腕を軽く組んで、少しだけ言葉と視線を彷徨わせてから、「お前が反省するまでは、傍についててやってもいいな」と言った。

「何だよ…選ぶ余地なんか、ねぇじゃん…」
「弟は、姉のいうことを聞くもんだ、って言っただろ?」

 観念したらしい弟の前で、ふんと少しだけ笑って、それから、およそ一年前に拒絶された言葉をもう一度唇に乗せるべく彼女はそっと息を吸う。
 今度は、絶対に拒否などさせない。
 そう意思を込めながら一旦息を止めて、それから。

「帰るぞ、快斗」

 手が伸びた。何も意識しなくとも、そう決まっていたかのように、快斗の身体は自然に目の前に在る彼女の身体を抱きしめていた。溺れた人間がもがいた先に指先にひっかけた木の枝を必死に掴むような。凍えて息すら侭ならなかった瀕死の身体が温もりを求めるような。
 それは、生きる為に必要な行為だった。

「ごめん、なさい…ごめ…ぃ、ごめん、ごめ…」
「快斗」
「あり、がとうーごめんなさ、い」

 抱きついてきた弟の姿に、驚きで強ばった身体の力を抜く。思いの外力強い腕とか、すっぽりと、彼女の身体を包めるくらい成長していた相手の身体に多少の居心地の悪さはあるが、肩口を濡らす涙の温かさは、幼い頃にー月夜に向ってしくしく泣いていた時と同じだった。泣くな、と撫でてやりたい頭には手が届きにくそうだったから、仕方なく彼女は弟の背中に手を回してトントン、と叩いてやった。
 ボロボロの青いシャツのその下に少し固い感触。秘密裏に快斗の実母である千影にこれを託していたから、あんな近距離で撃たれても命を落とす事は無かったのだ。なにしろFBIご愛用の防弾着。本当に使ってもらえるかどうかは賭けだったが。
 怪盗が日本に出現し、そこで何かをしようとしていた事を知った時から、彼女は追い掛け調べ続けたのだ。ー結果は、怪盗が探している何かと、偽りだらけが溢れるこの日に最接近する彗星の存在が、怪盗とそれに纏い付く不穏な組織を左右している、ということ。運命の日を迎える直前に、千影の居場所を突き止められた事は全くの僥倖だった。
 
 幾度となく遣り合う現場を経て、結局、彼は彼なのだと知った。
 だから、ほら、この弟は自分で血糊まで仕込んで活用して、こうしてちゃんと生きている。彼女を姉と呼んでくれる。
 それが嬉しかったから、彼女は軽く叩いていた手を止めて、そうっと抱きしめ返した。

「外で、迎えが待ってるから。ほら、行くぞ」

 泣き止めと促す言葉に、快斗はふっと顔を上げて、彼女の顔を覗き込んだ。

「ひでーツラ。煤けてる」
「…うん、だ、ろうね」
「歩けるか」
「うん」

 指先で頬を撫でる仕草をしてくる快斗に、少しだけ笑ってーそしたら、目の前の顔もぎこちなく笑ったから、久しぶりに目にするその顔に見蕩れた彼女は、更に近づいて来る『弟』に抵抗もせずー気付けば、口付けを受けていた。

「…っ?!」

 鼻先に煙る匂いが強くなって、自分以外の体温を身体に感じて、ぱちぱちと瞬きを数回繰り返して、やっと自分が何をされているか悟った彼女は慌てて身を捩らせる。しかし、先程までの脱力しきった様子からはほど遠い、彼女を離すまいという意思を持った腕がぎゅっと彼女の身体を抱きしめた。
 言葉を交わさぬ口をひっつけた状態での押し問答のような攻防は、唇を開いてくれない年上の人に焦れた男が態勢を立て直そうとした一瞬を逃さず、そもそも大きなダメージを負った人間がそう長い時間元気な人間を押さえつけておける筈も無かったので、下方向から相手の顎に向って繰り出された掌と、次いで顔を真っ赤にした女性の反撃によって強制的に終了した。

ー バッチィー…ン

 見事頬に鋭い一発を張られた快斗は、思い切り目を回すことになったのである。

「あ、やっば…、わー!快斗、おい、しっかりしろ!」

 引っ叩かれた衝撃にドンと壁に背中をつきそのままズルズルと座り込んだ弟を、慌てて姉がガクンガクンと揺さぶってみても返事はない。どう考えてもおかしな真似をしてきた弟が悪いのに、ゴメン快斗、目ぇ覚まして、と己の手でとどめを刺してしまったかも疑惑やら罪悪感やらで軽くパニックを起こしてしまう。

 だって、ずっと緊張して、持てる能力も人脈も全部使った大きな仕事の後だったのは、彼女だって同じ事だったのだ。




 立ち入り禁止区域の近くで車で待機していた両親からの電話に、何とか説明してー救助を受けたのは、それから10分後。
 
 人事不省に陥った快斗を荷物よろしく担ぎ上げて車まで運んでくれたのは、両親が先に迎えに行っていた今宵の協力者の一人である赤井だった。
 単独行動のほうが人の眼につき難いからと、車から降りて伝え聞いた場所へ向かうと、らしくなく取り乱して怪盗KIDこと彼女言うところの『クソガキ』の首根っこを引っ掴んで揺さぶっていた工藤の姿。珍しい光景だ、と暫し見守っていたが、どうにもクソガキの顔色が最悪だったので「落ち着け」と声を掛けて、そこでようやく彼女は我に返ったようだった。これもまた、気配に聡い彼女にしては珍しい反応だった。
 車まで連れて行くと、優作が快斗の顔を覗き込み、そこにいっそ美しく見事に付けられた頬の手形を見て、「…いくら、以前にひっぱたくと宣言していたとはいえ、何も弱ってるところを…」と苦笑いをしながら漏らした。
 だが、弟が仕掛けてきた『馬鹿な真似』…怪盗云々ではない行為について説明出来なかった娘は、ただ顔を赤くして俯く。「んん?…新ちゃーん?」その様子に何かを嗅ぎ付けた有希子が娘の顔を覗き込もうとしたが、彼女は車に乗り込むこと無く「モノクル、警部に渡して来る!」と言ってその場から逃げ出した。







 姉と弟が、「ただいま」と「おかえり」をするのは、それから暫く経ってからのこと。


17×26:D


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