幼い頃からずっとずっと考えて




「はぁ・・・」


溜め息をついた俺は、辺りを見渡す。
視界に旦那が入ることはなく、さらに深い溜め息をついた。


サボってしまおうか。


俺は、仕事をまっとうしてるかのように見せかけ、サボるのに相応しい場所を探してた。
あれから、旦那を見ていない。
もう1ヶ月になるのだが、旦那は大丈夫なのだろうか。
そんなことばかりが思考を支配する。


いつのまにか、俺はこんなにも旦那のことを好きになってしまっていた。
自分でも重症だと思うくらいに。


旦那に会いたい。
なんて考えなが歩いていると、人の流れの中に、銀色が見えた。
「・・・!」
旦那かもしれない。
そんな風に思った俺は、直ぐに走った。
形振り構わず走る沖田に、歩いていく人たちは皆して迷惑そうな顔をする。
だけど、いちいちそんなものに構っていられなかった。
だってすぐ近くに旦那がいるかもしれないのだ。
落ち着かずにはいられない。


あと少し・・・!


気持ちが高まっていた俺は、次の瞬間どん底に突き落とされることになる。
「・・・え・・・?」


あの銀色は旦那で間違いなかった。
今日もすごく綺麗だ。
早く声をかけたいのに。
いつものように他愛もない話をしたいのに。
体は動こうとしなかった。


「なん、で・・・?」


そこにいたのは旦那だけじゃ無かった。

「総悟」

「土方さん・・・」

そう、土方さんが隣にいたのだ。









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