幼い頃からずっとずっと考えてた
「なんで・・・」
何でアンタがこの人と一緒にいるんですかィ
そう言いたかったのに、最後まで言うことが出来なかった。
だが、それだけで俺が何を言いたかったかを汲み取った土方さんは、
「さっきそこで会ってな。今からファミレス行くところだ」
と言った。
微かに頬を染めながら。
そんな姿に俺は絶望に似たような気持ちを抱く。
直接聞かなくとも分かる。
土方さんは、旦那に想いを寄せている。
「いつもは俺に仕事しろって五月蝿いのに。自分は旦那とランデブーかヨーヨーの紐に首絞められて死ね土方」
「いや、ランデブーってなに。おかしいから。絶対あり得ないから。」
「旦那にその気がなくても土方コノヤローは油断できねェ相手ですからねィ。念のために俺のバズーカ貸しやしょうか」
「人が黙って聞いてればなに勝手なこと言ってんだよ!!」
こんな気持ちになりながらも普通に話ができる自分に驚いた。
顔を赤くしながら怒鳴る土方さんに、まんざらでもなさそうな旦那。
すぐ思った。
きっと旦那は土方さんのものになる。
あぁ、また。
また大切なモノをとられるのか・・・。
幼い頃の記憶が蘇る。
ずっと、ずっと考えてたきた。
どうしたら土方さんにとられないか。
でも考えたところで答えなんか出てこなかった。