世界は狂ったんだ






あれからどれくらい時間が経っただろうか。


泣いて、泣いて、泣きつくした俺にはもう溢す涙なんてなかった。
ただ、布団で寝るだけ。


・・・・これで、


俺は沖田くんを諦める。


彼の幸せを一番に望んでいるから。



決心して立ち上がる。
と、そこへ新八が入ってきた。


「銀さん、ご飯できましたよ・・・」


遠慮がちに言う新八に、申し訳なく思う。
俺があんなだったから、今こんな顔をさせちまっている。
でも、もう大丈夫だ。
俺は安心させるために笑う。


「今日こそは肉食いてぇんだけどなぁ」


そんな俺に新八は面食らったような顔をしていた。


「銀さん、大丈夫なんですか・・・?」

「なにが〜?俺はいつでも大丈夫ですけどぉ」

「だって、おきたさ」

「言うな!!!」

「っ」


突然大声を出した俺に新八がビクッてなる。


「大丈夫だから・・・・」


俺は新八に笑いかけながら言った。
それは、自分に言い聞かせるためのものでもあった。


「ちょっと出てくるわ」


未だに納得のいかないという顔をしている新八は、俺の背中を見つめながら


「嘘つかないでくださいよ」


と呟いた。


なにも、きこえない


俺は、逃げるようにして万事屋を後にした。










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