世界は狂ったんだ
あぁ、もう何日沖田くんに会えてないんだろう。
あの日から、俺は外は愚か、起き上がることさえ嫌になり、ずっと寝たきりの生活を送っていた。
新八はそんな俺を心配し、神楽は沖田くんへの怒りを露にした。
なんも言ってないのにどうして沖田くんってわかるの?
そう問えば、
『銀ちゃんが悩むときは大抵アイツがからんでくるネ』
なんて返ってきた。
・・・・よく分かっていらっしゃることで。
気付けば頭のなかは沖田くんで一杯で、こんな自分に溜め息を吐く。
俺、嫌われちゃったのかなぁ・・・。
そう考えると、涙が出そうになる。
正直にいうと、沖田くんは俺と同じ想いでいてくれてると思っていた。
でも、
「自惚れだったか・・・」
手を振り払われた時、なにが起こったのか理解できなかった。
気付けば沖田くんはもう走って行ってしまっていて、残ったのは手の微かな痛みだけだった。
「嫌われちゃった」
口にした瞬間、熱いものが頬を伝う。
それが涙だということに気づくまで、そんなにかからなかった。
「・・・・っ、ぉ、きたくんっ」
何が彼をそうさせたのか。
何が俺と彼との間に距離を作っていたのか。
どれだけ考えても分からなくて、ただ嫌われたという事実に涙する。