「眼鏡、醤油」

「はいどうぞ」

「新八ィ、醤油」

「今沖田さんが使ってるから後でね」

「私よりサドをとるアルか!」

「そういうわけじゃねぇよ!」


目の前で繰り広げられる会話。
食卓に並ぶ俺の特製料理。
まるで家族のようなその光景に思わずくらっとした。
この感覚は初めて俺と新八と神楽で飯を食ったときと同じものだ。
あの頃は、これ以上の幸せなんてねぇんだろうな、なんて思っていた。
だけど、あったよ。
今、俺はあの時以上に幸せだ。


「どうよ、銀さん特製手料理は」

「ごっさ美味いアル!」

「相変わらずほっぺが落ちそうなくらいです」

「・・・総悟?」

「うめぇに決まってんだろィ。銀時さん、明日はグラタンがいいでさァ」


こうやって当たり前のように明日の約束をしたりして。
そうか、明日はグラタンかぁ。材料あったっけなぁ、なんて冷蔵庫の中身を思い出そうとしたりして。
間もなくすれば神楽が不機嫌になるんだろう。


「・・・銀ちゃん、明日はハンバーグがいいアル」


ほらね。
神楽は相変わらず俺と総悟が仲いいと拗ねる。
総悟に対抗心を燃やしてこんなことを言う神楽が可愛くてつい甘やかしたくなったり。
だけど甘やかすと今度は総悟が拗ねるということは既に学習ずみだから、さてどうしたものかと悩んでいると、


「銀時さん、やっぱり俺もハンバーグがいいでさァ」


と総悟が言った。
驚いて総悟を見ると、少しだけ眉をよせた総悟がそっぽを向いていた。
俺にはわかる。ああやってするときは照れてるとき。
どうやら、総悟は総悟なりにウチに溶け込もうとしてるらしい。
バカだな、そんなことしなくたって


「もう溶け込んでるっつの」


はい?と首を傾げた総悟に何でもない、と答えた。



End


リクエスト小説の予定でした。…が、
リクエスト内容と違っていることに気付いてボツにしようとしたものです。
だけどせっかく書いたので……。
すいません、リクエストに沿った小説はまた後日。
なるべく早くかきますね!




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