※3Z

教師になって早数年。
メガネに対する概念が一気に変わりました。


「好きです」


毎日聞くこの言葉。
メガネ=ヘタレだと思っていた頃の自分を殴ってやりたい。
でもよ?まさかこんなどちらかと言えば可愛らしい顔立ちをしているメガネっ子がよ?こんな押せ押せな肉食系だとは思わねぇじゃん?
全く、人は見た目じゃ分からないとはよく言ったものだ。
童顔の下にこんな隠し兵器を持っていたなんて。


「先生ビックリだよ」


ぽつりと呟けば、「何がですか?」と後ろから声がした。
いつの間にいたのか。
アイツは当たり前のように座っている俺の後ろから抱き込むように腕を回した。
抵抗しない俺もどうかしてる。


「新八がこんな押せ押せなやつだとは思ってなかったからよ」


キャンディを舐めながらそう答えると、小さくキスをされた。
無理矢理上げさせられた顔は少々キツいことになっている。
が、やっぱり抵抗しない俺。
間もなくしてゆっくり離れていった唇をぼうっと眺めていると、「こんなやつは嫌いですか?」と聞かれた。
そんなのは愚問だろう。


「先生は嫌いなやつとちゅーしませんから」


相変わらずコロコロと口の中で飴を転がす。
ちらっと見たアイツの顔は真っ赤に染まっていた。
あ、新発見。
この肉食系メガネは自分は押しまくるくせに、相手に押されるのは弱いらしい。
なんだかおかしくて笑っちまう。


「笑わないでくださいよ」


そう言いながら顔を隠すコイツの赤い顔がもっと見たいから、次は何をしようかなんて考えている俺は、末期に違いない。


(俺専用)メガネ=肉食系メガネ。押しに弱い。


End



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