なにとなく生きてはきたのだけれど


ナニカオカシイ


自分には何かが足りていない気がする。何だろう。

服も靴も下着もある。ほら、足りているじゃないか。

いや、まだ何か足りない。

お金もある。食べ物だってある。好きなゲームも玩具もある。楽しいコト、沢山知ってる。

いや、満たされない。
じゃあ、ナニガタリナイノ?

ひとつひとつ、頭の中に並べてみるけど分からない。これは数式よりひどく難解だ。
でも、足りないモノは黒くてモヤモヤしていて、
何か傍にあるもの。
でも傍にないもの。

何処かの親子が微笑んでる。
手を繋いで、瞳を合わせて。
お父さんとお母さんの手を握って体を宙に浮かしてもらって、左右にゆらして。親子ブランコ。
そんな映像が、僕の心の根っこの方に焼き付いて、その時感じたワガママを、映像を、なんども剥がそうとしたけれど、こびり付いて、剥がれないから砂場に埋めたことを思い出した。

でも、どうやら浅かったのかな。
すぐにそれは見つかった。

…僕に足りないモノ

ねぇ、父さん

服も靴も下着も食べ物もゲームも玩具もバスケットボールも電車の模型も薄っぺらい言葉ももう、そんなに沢山いらないよ。

…だからさ


ボクに愛情を下さい。
20110402
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