派手やかで賑やかな街とは違い、田んぼが広がり木々が生い茂った田舎の整備されていない砂利道をトウヤは歩いていた。
今日の空は、それはそれは一面青くて、雲一つなくて、少しくらい雲があるんではないかと疑い、ぐるりと一回転しながら空を見る。
でも、やっぱり一つもなくて、口をだらしなく開けて空を見詰めていた。普段は考えない空の不思議について考えてみる。当たり前、だけど、相当広い。


「…スカイブルー」

吸い込まれそうな感覚。
ふと思う。それはまるでギーマの目のようで。その瞬間、トウヤはギーマに無性に会いたくなった。

今日、会いにいこうかな。いや、今から行こう。こんな雲一つない日、晴れた日は、散歩をしながらたわいないコトとあなたと話したい。
ボクの大好きなあなたの白い肌が焼けちゃうかもしれないけれど、少しくらい焼けたほうか健康的でいいかもしれない。
今、自分がいるこの人気がない静かな田舎の砂利道をあなたと歩きたい。
一人で歩く雲一つ無い空の下のこの道は、なんだかすごく広く感じて、地球に自分ひとりだけみたいで淋しいけれど、ふたりで歩けばきっと楽しいに違いない。
そして、ふたりだけの世界になるんだ。
今みている景色は一瞬にして色をかえる。
それでもって、静かな時間をふたりでドラマや映画のように見つめ合いたい。
互いのコトだけを考えてね。

タバコくらいは許してあげますから。


だから

「今日はボクとふたりでお散歩しましょうよ。」

さぁ、彼の家に行こうか。



散歩
2011/02/25
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -