部室に行くたびにちりちりと胸の奥が痛くなるようになったのはいつからだろう

他のサッカー部員たちと他愛のない会話をして
馬鹿みたいに笑い転げて
わんころみたいな後輩たちにぶっきらぼうに接しても

この痛みは消えてくれない

まぁ、俺だけがこんなに悩んでることくらい知っている

同学年のキャプテンも、あの人と同じ学年の先輩ももちろん後輩も

あの人もきっと……


「俺、辞めます」

と宣言した次の日


「お、倉間」

気の抜けたようなどこか気怠そうなそんな声で
いつも通りの声で学校ですれ違った南沢さんは俺に話しかけてきた

そして通り過ぎて行った


なんだよ、人が折角こんなに思ってやってるのに

会うたび会うたび当の本人はいつも通り



なんなんだ
本当に…



あれから何週間か経った

俺は先輩のいないチームでサッカーをやり、シードも裏切った






いつからか南沢さんを見かけなくなっていた










今日も








この部屋にあなたは来ない


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