Episode3



最近では。会長とふたりの時は、会長の恋愛話を聞くことになった。

胸はまだ痛む。
でも、湊に気づかせるわけにもいかないから、あたしもその痛みには知らんぷりをする。

気づいたところで、どうすることも出来ない、っていうのもあるんだけど。

「やっぱあんたアホでしょ」

「歌憐…」

ザックリとあたしの乙女ゴコロを踏みにじった発言をした歌憐を必死で押さえようとする古都葉。
それから苦笑顔で、こちらを見守る咲姫ちゃん。(歌憐がエンジェルと呼ぶ理由がよくわかる)
その咲姫ちゃんの横で、我関せずというようにお弁当を食べ続ける美春ちゃんがいる。

……なんて言うんだろう。
学園の美少女揃いだな。
両手に花どころじゃねぇ。

PPPPPPPPP...

突如、洒落っ気まったくゼロの着信音が鳴り響いた。
ゴソゴソと懐を探る美春ちゃん。
発見したらしく、相手に顔を歪ませている。

「“只今、卯月美春は電話に出ることはできません。メッセージをどうぞ”」

なんてふざけていると電話の相手が怒鳴ってきたらしく、耳を人差し指で塞ぐ仕草をする美春ちゃん。

何言か話し、ピッと電話を終了させたかと思ったら、おもむろに立ち上がった。
それを心配そうに見上げる咲姫ちゃん。
美春ちゃんはふわりと微笑んでみせる。(何気、皆咲姫ちゃんに甘いよね)

「叔父さまから。進路希望だしてないから呼び出し」

「あっ、まだ出してないの?美春ちゃん」

「うん。特にやりたいこともないしね」

咲姫ちゃんの学年は2年。
正直その頃には将来のことなんて考える人はごく少人数だろう。
あたしもそうだったとは言うまでもない。




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