………。

「は?」

思わず目が白黒する。
ぱちぱちと目を瞬かせる。

こ い つ な に を 言 っ た ?

「あれ、聞こえてなかった?」

「いや、聞こえてはいたけどさ。なんでそんな話?」

「んー……なんとなく」

にこりと悪魔的に悪戯に笑う湊。

「それで、いるの?」

「いないけど」

湊のチョコレートブラウンの髪が、夕日にあたってきらきらと輝く。
まるで湊のいる場所が外界と切り離されて、一枚の絵のようになる。
湊の意外と真剣な眼差しに心臓が跳ねた。

え…………?

慌てて胸元を掴む。
今の…な、に?

胸元から手を離して、湊を見つめる。

「湊は?」

話の流れ的に訊ねてみれば、湊の頬が気のせいか少し赤く染まった。
どうしよう。




-6-

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