沸いてきたお湯をコーヒーカップに注ぐ。
本来なら色々な手順だとかをしなくちゃならないんだろうけど、生憎とこいつもあたしもそんなのにこだわるような性格はしてない。
インスタントコーヒーだし。

またも生徒会の名で買ってもらったテーブルにコーヒーカップを置くと、のそりと起き上がる。

「これ飲んだら真剣にやってよ」

「相変わらず蜜羽は横暴だね」

「うるさい」

誰の所為でこうなったと思ってるのよ。

白欧学園高等部、生徒会長、新藤湊。
副会長であるあたしの上役であり、あたしの幼馴染みとも言える人物。

とは言っても。
家が隣なわけじゃない。こいつには歴としたかわいらしい幼馴染みがきちんといるし、あたしがこいつのホントウの幼馴染みだと考えると苦労しすぎて今頃アートネイチャーのお世話になっていたかもしれない。

今でも苦労させられてはいるんだけど。

こんなあたしがこの役についているのにも理由がある。
この男の所為であることは明記する必要性も感じられないだろう。

教師に泣きつかれたのだ。
湊の自由っぷりのせいで。




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