翌朝。朝一番と呼ばれる時間帯。
あたしは校舎を走り回っていた。
湊を見つけるために。
(湊はもう学校に来ているかというのはきちんと下駄箱で確認済みだ)

そして、その会いたかった後ろ姿を見つけた。

「湊っ!」

ゆっくり、ゆっくり、振り返る。
どこまでもトクベツな人。
あたしの中で輝き続ける光。

湊がだれをすきだろうが関係ない。
恋は一方通行上等。むしろそれしかできない。

「どうかした?蜜羽」

「…話したいことが、あって」

すぅ…と息を吸い込み、言葉を発する。
何かを感じ取ったのか、湊は頬を弛めると、あたしの手を取って、生徒会室に連れ込んだ。

「それで?話したいことって、ナニ?」

近づいてくる湊。どうしてか不安に感じてそろりそろりと後退れば、追うようにして湊の脚が一歩動く。
それを何度か繰り返した後。ふくらはぎに何かの感触が触れて、上体が倒れていく。

「はにゃ!?」

「蜜羽!」




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