よくわからなくて首を傾げていると、湊が吐息で笑うのがわかった。
ったく、失礼なやつである。

それよりも。

「あんた今まで何してたのよ。仕事ほっぽりだして女の子と遊んでたわけ?」

「別に遊んでたわけじゃねぇよ、たまたまー」

「何がたまたまーよ」

絶対すきな女の子の正体がわかったらチクってやる!
どれだけ自由奔放で、怠惰なのか。

こいつの正体はきっとナマケモノに違いない。背中にチャックがあって、きっとチャックを開けたらデローンとしたナマケモノが出てくるのだ。

やだ、ほんとにそういう可能性が出てきちゃった。
ヤバイ。あたしナマケモノに惚れるなんてかなりのスキモノ?

取り敢えずは。

「絶対すきな子見つけてやるんだからっ」




「なんか言ったー?」

ぼそぼそと呟く声は聞こえたが、肝心の内容が聞き取れなくて、もう一度再生を求めるけど、湊はそのお願いを叶えてくれそうにない。

まったく。ケチだよね。




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