「いつ気づいたのよ」

「千花が“すきです”って言った辺りから?」

しかも名前呼びかよ。

「初っ端じゃない。あんたすきな女の子にチクるわよ」

眼差しを出来うる限り冷ややかに。そして睨めつけるが、湊の表情は至っていつも通り。

「別に言ってもいいよ。あいつも俺を意識してくれるだろうし」

ズキリ。
心臓が痛む。

「サイッテー」

「振り向いてくれんなら、なんだってする」

へらへらと笑う湊をどう処刑しようか考え込んでいると、おもむろに橘ちゃんが立ち上がる。

あら。

「やぁってらぁんなぁーい」

その間延びした話し方直した方がいいぞー。

「湊先輩つまんなぁいしぃ。この女、鈍感だしぃー。勝手にヤッてろって感じぃ?」

おい。

「それじゃぁ、シツレーしまぁす」

ひらひらと手を振って、ニーハイソックスに覆われた美脚を動かして去っていく彼女。
はて。彼女は何をしたくて、何を言いたかったのだろう。




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