そう言っている間にも、橘ちゃんの体が湊に擦り寄っていく。
よく見れば湊の唇と橘ちゃんの唇が近づいている。
はにゃにゃー……近頃の子は積極的ねぇ。

はっ!感心してる場合じゃなかった!

「悪いけど、」

すっ、と湊の腕が動いて、橘ちゃんの体を押し退けた。

「俺すきな奴いるんだよね」

「えぇーっ!どんな子なのぉ?かわいいのぉ?それともキレイ系ぇ?」

ずるり、ずるりと這うようにまた湊に近づく。
めげない女の子だなぁ。

「……」

にこりと、こちらに向かって笑う。
え?こっち?

「蜜羽、いるんだろ?」

げ……!

仕方無しに姿を見せると、予想通りといったような表情をしてあたしを上体を捻って見ている湊と。
湊があたしを見ていることをこれ幸いと、あたしを思う存分睨みつける橘ちゃん。
あぁ、だから嫌なのよ。




-22-

[*←]|top|[→#]










you choose
beautiful or wonderful