「蜜羽はすきな奴いないの?」

キィとイスが悲鳴をあげる音がした。
そんなことは些細なこと。
(いや実際には些細じゃないんだけど)

「……またその質問?」

チラリとピュアホワイト調で彩られた壁にかけられた時計で時間を確認。
5時数分前。

あたしと湊の他に誰もいない。

他の役員たちは自分たちのやるべき仕事をしてから帰ってしまったし。
その仕事を終えてもあたしたちの仕事を手伝ってくれていた水無月くんは毎度のことながら、咲姫ちゃんに呼ばれて帰ってしまった。
(これは彼が生徒会に入るため条件だ。咲姫ちゃんが迎えに来たら彼は帰ってもよいことになっている)

もちろん彼女もそれを悪く思っているらしく、いつも時間まで適当に過ごしているらしい。
…そんな気遣いいらないのに!
あぁ、もう弄りたくてたまらないっ!
あのオドオドとした態度!敵にあったときみたいな小動物のような怯え方!
水無月くんの背に隠れてちょこりと片目だけ上目遣いで見られたときなんか、昇天してもいいくらい!

「おーい、蜜羽?Bカップしかない蜜羽さん?」

「誰がBカップしかないんじゃ」

「蜜羽」

「失礼な!」

脇から(贅)肉を寄せればCカップにはなるわ!

じゃなくって、、、

「なんなの」




-17-

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