さらり、と最近切ったと見られる鮮やかな金色の髪を(染めているわけではなく、本人曰く、祖母がフランス人だったらしい)靡かせ歩き始める。

「無視しまくっちゃったから、いい加減センセイも堪忍袋がブチ切れそうなんだって」

悪戯に微笑むと踵を返して、タンタンとリズムよく屋上からの階段を駆け降りていった。

「咲姫ちゃんの進路は?」

話題転換のために古都葉が咲姫ちゃんに話しかける。
なんだろう、すごく気を使わせてたんだなー………。
後で苺ミルクでも奢るか。

「あ、まだ決まってないんですけど、、、取り敢えずは大学に行って、文系を主に勉強しようかな、って」

うちの学校は小中高大一貫校で有名な私立学園だ。
おまけにマンモス校。金持ちも揃いまくってる。

かく言う彼女たちも名家の大切なご令嬢たちなのだけれども。

「頭いいもんねー」

ご利益とばかりに咲姫ちゃんの頭を撫で擦る歌憐。
完全に咲姫ちゃんの髪は絡まってしまっていることだろう。

「そんなんじゃないですよ」

ほんと愛らしいよね。

この後の昼食タイムは咲姫ちゃんを愛でることに徹することにしよう。




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