「見込みねぇんだ…」

「え…?」

ビックリした。
こんなにも弱気な湊、初めて見た。

「――でも」

一旦言葉を切る湊。
あぁ、最近出来たあたしの第六感が警鐘を鳴らしてる。




マズイ。
目が熱くなって、ヘタしたらこいつの目の前で泣いちゃうかもしれない。
そんなことになったら、、、確実にあたしの気持ちがこいつにバレる。

それだけは、避けたい。

ぐっ、と歯に力を込める。

「そっか。湊なら大丈夫でしょ」

俯くあたし。
湊を見てなくても表情がわかるだなんて、あたしもアホだ。

どこまで溺れてんのよ。

「サンキュ。蜜羽がそう言ってくれんなら百人力だ」

ぽふっと音がして、薄くてあたしより大きくなってしまった湊の手があたしの頭に触れた。
まるでそこだけ灼熱。

頬まで伝染してきた。

「さて。仕事すっか」

そんなこと言わないで。
あたしはそんなイイコじゃない。

一瞬。思ってしまったの。




-13-

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