「あのカップルかわいいよね」

ふわふわ天然素材間違いなしな咲姫ちゃんに。
意外(?)と彼女に甘い水無月くん。

天然で彼を振り回してそうだなー。
でもそれがいやじゃなさそう。

「……」

「……」

どうしよう。
沈黙が苦だ。

この気持ちを自覚する前だったら、この静かな空間が心地良いとさえ思ってたのに。
感情に名前をつけただけで、こうも不安になるだなんて。。。

「どう?すきな子の気は引けそう?」

ああ!墓穴を掘ってどうする!
今なら迷いなく穴に飛び込んでやる。むしろ自分で掘って埋まってやる。

「んー……」

ぽりぽりとチョコレートブラウンの髪を掻く湊。
どうしよう、湊の言葉が怖い。
今までそんなのなかったのに。
ただこの感情に名前をつけただけなのに。


こんなに臆病だったの?あたしは。




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