「稜の話はいいの!問題はあんたよ」

どうすんのさ、とコンパクトミラーを仕舞いながらあたしに問いかけてくる。

「どうすんのって、、、あたしは確実に玉砕でしょ」

「んなもんわかんないよ。フラレても慰めてやるからさ」

「フラレること確定!?」

「冗談冗談」

ぽんぽんとあたしの肩を慰めるように叩く歌憐の手を振り払う。

「あんなこと言われて、“すきだ”なんて、言えるわけないじゃない」

9月の生温くも、肌寒い風があたしの髪を攫った。

言えたら、苦労なんかしないのよ…。




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