ごめん、と謝ってくれた烈火先輩を許しながら、さっき呟かれた言葉が気になった。 「烈火、来てたんだな」 そこなの一ノ瀬狼!? 確かにサボりがちな烈火先輩が学校にいるだなんて珍しいけど、そこなの!? 「じゃなくって!さっきの、どういう意味ですか?」 一ノ瀬狼を遮って問いかければ、不思議そうに首が傾げられる。 なにを当たり前のことを言ってるの? 暗に告げるその目が憎たらしくて堪らない。 「……ヘラは嫉妬の神とさえ言われるほどの嫉妬深い女神さまだよ。おまけに情報察知能力もハンパなくて、ゼウスの浮気がすぐにわかる」 …すさまじく、恐ろしい女神さまね。 「それを引き継いだ結乃先輩は、凄まじく情報収集が早くて、雷先輩の浮気もすぐ発見しちゃうんだ」 “女の人って恐ろしいね” 確かに女の人ってよく旦那さんとか恋人の浮気を見抜く―――とか言われてるけど、これは……度が過ぎてるっていうか、そこまでの人ってなかなかいないと思うんだけどなぁ。 じっと男性陣に見つめられる。 あたしにはそんな察知能力はついてませんよ。 話しながら歩いていたら、生徒会室前に到着。 中は大層金をかけたらしい内装で。 どこかのホテルのロビーかと見紛うくらい広くて豪華絢爛。 そんな生徒会室の扉を開ければ、 [*←]|top|[→#] |