空気の読めない奴ら…!
KYと高飛車は世の中で一番モテない部類に入るんだから!
ぶちっと青筋が浮かんだ。
母譲りの容姿は般若のように歪む。
そこに兵士達は駆けつけヴィクトリアの顔を見た瞬間、逃げ出したい衝動に駆られた。
敵と戦うより恐ろしい!
国王の命令なんか放り出して、逃げたい!!
その後すぐ国王がその場に現れた。
ほっ、と胸を撫で下ろす兵士達。
これほどまでに国王に感謝したことはないだろう。
「ヴィクトリア!」
「お父様」
ぐっとヴィクトリアは押し黙った。
本気で怒っている――そう直感した。
だがしかしさすが山猿娘・ヴィクトリア。
そんなのに臆するわけではない。
「お前は確かに粗雑でガサツな娘だがこんなことまでするだなんて…!」
うぅ、と本気で国王はうっすらと目に泪を溜めた。
大の大人―――正直に言えば年老いた親父が泪目だろうと、女でなければ罪悪感が芽生えないのである。
「だ、か、ら! あたしは結婚したくないって言ってるでしょ!」
「まったくいつもいつもお前は! ―――おやっ?」
ヴィクトリアの言葉はまるっきり無視。
説教をしようとした時。
国王は眉を曲げた。
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