窓から下を覗いてみると話の根源・ブライアンがこちらに手を振っていた。
彼のプラチナブロンドが太陽に照らされて幻惑に輝く。

すると、手を広げて、

「降りておいでー!」

とのたまった。
そんな様子にヴィクトリアは目をぱちくりさせる。

つまりは飛び降りて来い、ということだろうか。

「行ってあげて?」

そうコルディが言うよりも先にヴィクトリアは窓の桟を越えブライアンの腕の中に飛び降りて行った。

意外と妹は彼に懐いているようだ。

下を見てみるとブライアンの腕の中に飛び込んだヴィクトリアがいた。
皆がだいすきな陽だまりの笑顔で。

くすっと苦笑するとコンコンとドアがノックされた。

「はい? どうぞ」

応答するとガチャリと開いた。
そこには、愛しい彼がいた。

思わず抱きつく。

「コルディ、帰ろうか」

“話は済んだ?”

律儀にもそう訊いてくる彼に頷きコルディは彼の腕に自分のそれを絡ませた。

コルディは部屋を出ようとし――振り返り外を仰ぎ見た。
そしてクスリと笑うと今度こそ部屋から出た。



She seems to be going around with a questionable man.
(彼女はいかがわしい男と付き合っているらしい)

Complain

(妹さんとのお喋りは楽しかった、コルディ?)

(楽しかったけど、)

(“けど”?)

(今度来る時はヴィクトリアの婚約者を締め上げてやりたいわね)

(……………そっか)



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