girl's tark



「あははははは! そりゃ大変ね!」

「笑い事じゃない!」

ここは王宮の一室。
女の子達特有の高い声が絶えず漏れ聞こえていた。

「なんなの! あの男っ!!」

「いいじゃない格好いいんだから!」

「確かにカッコいいけど! あの性格は……」

ありえないほど悪い。

「カッコよくて性格もよかったらバケモンでしょ」

確かにそうなんだけど…、と内心ヴィクトリアも思うがもう少し性格がよくてもいいと思う。
せめて外見と見合うくらいには。
(外面はかなりいいけど)

そしてジトリとした目を親友であるマイアに向けた。
マイアは隣国の王女で幼い頃からのヴィクトリアのただ一人の友人である。

だがしかし、彼女はヴィクトリアの味方ではないらしい。

「そんな目しないの! いいじゃない私なんて見たこともない年上のおっさんよ?」

「確かにそれは嫌だけど、」

性格はいいのならまだマシだ。
こっちは性格が悪いし、最近は変態も入ってきている。
(生来のものかもしれないが)

そう考えるとマイアの年上のおっさんのほうがマシなように思えてくる。
マイアはヴィクトリアに気づかれないように微笑むと紅茶で満たされたカップに口をつけた。

「けど愛されてるってコトじゃないの?」

「“愛されてる”!? どこがよ!! あれは“からかってる”のよ!」

どこをどう見たら“愛されてる”ように見えるのだろうか。
真剣にかかりつけの医者に眼を見てもらうよう勧める。

人の反応を見て楽しんでいるのだ。
尚更、性質が悪い。

「そんなに頬膨らまさない。不細工になるわよ?」

そう言われヴィクトリアは頬を元に戻した。

これ以上母の面影をなくしてしまったら困る。


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