走り去るヴィクトリアを見送ったブライアンはくつくつと笑っていた。
面白い。
見ていて飽きない。
あれほど赤くなって気づかれていないとでも思っているのだろうか。
「ククッ……」
飽きっぽい自分がここまで執着するだなんて――、
珍しい。
珍しすぎる。
今後のことを画策しながらブライアンはゆったりとした足取りでヴィクトリアの後を追いかけた。
I will take another way so that I won't get caught by him.
(あの人に捕まると嫌だから別の道を行こう)
Run After
(ぎゃぁ! 来るなぁあああぁぁっ)
(あっ、また逃げた!)