早々に仕事を切り上げて、ヴィトンのカバンにせっせと荷物を詰め込む。(課長に捕まりでもしたら吹雪がものすごく拗ねてしまう)


ケータイに、明日の会議の書類に、メイク道具に……――よし、全部確認終了!


帰ろうとすると隣のデスクでニヤニヤした寧々と目が合った。
その若干下品な笑顔すらも美麗で妖艶だ。ストレートの男なら、一回はキスしてみたいと願うはず。


しかしながら、私の性別は女なわけで。


適当に相手をして、会社の外へ出た。
これから外回りをしている吹雪と(家で)合流することになっている。


空には厚く雲がかかっていて、とてつもなく寒い。


こりゃ、数年振りのホワイトクリスマスになるかな。


そう考えたら、浮き足立ってきた。
寒いのを考慮しても恋人と一緒にクリスマスを迎えれて、しかも空からは雪。


最高のX'mas day!!


ルンルン気分で帰路を急いだ。


+ + + + + + +


家に帰ってみると無人で空っぽな部屋。
ありゃ、まだ帰ってきてなかったのね。


数ヶ月前にあたしは一人暮らしていたマンションを引き払い、吹雪のマンションへと引っ越した。
吹雪曰く“あみかと違う部屋に帰るとかもう耐えられない。俺はあみかと散々いちゃついてからあみかを抱き締めて眠りについて、目覚めたい”


確かに我が儘で自分勝手な主張だけれど、私も心でひっそりとそう思っていたし。吹雪がそう言うのなら叶えてあげたいと思うのだ。(そう寧々に言ったら、惚気かと呆れた顔をされた)


ドスッとソファにヴィトンを投げ、自らの身体すらもそこに投げ出す。


ダラダラし始めて、ものの数分後、カチャと鍵を回す音が響き、吹雪の帰宅を告げた。
私はと言うと、即座にソファから身体を起こし、駆け寄って吹雪に大ジャンプ!
まったくの無計画で飛び込んだ私だけれど咄嗟に受け止めてくれた吹雪のおかげで無様に尻餅をつかなくてすんだみたい。


そんなことを考えている間にも口を塞がれた。


「、ん」


どんどん激しくなっていくキスに、思わず耐え切れなくなって吹雪の腕に爪を立てた。
効果は覿面。少しだけ距離を開けてくれた。(それでも吹雪の指は私の欲望を煽ろうと忙しなく動いている)




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