お酒はほどほどに 6
いつものアーサーさんならこんな事絶対にしないのに。ギャップが激しすぎて、戸惑いを覚える。
上手く息を吐く事が出来ない私を見兼ねたのか、アーサーさんが覆い被さるようにして前に身体を倒して来た。その反動で奥まで突き上げられ、ゾクリと身体が震える。強烈な圧迫感と焼けるような痛みを感じて、堪らず目じりに涙が滲んだ。
「あっ、んんっ、やっ! アーサーさ……苦しいですっ」
肩で浅い呼吸をしながら痛みに耐えていると、ゆっくりと動いていたアーサーさんの動きがピタリと止まった。一体どうしたと言うのだろう?
「……っ。やばいな、その顔……」
「……え? あのっ」
私の腰を掴んだまま俯いて、小さくプルプルと震える。酔っ払い過ぎて気分でも悪くなってしまったのでしょうか?
不安に思っていると、アーサーさんの身体がゆらりと揺れた。
「アーサー、さん?」
私の声に反応しピクリと震える。そして次の瞬間――。いきなり私の肩をガッと掴んだかと思うと激しく腰を打ちつけ始めた。
「あっ、ああっ! な、何? んああっ」
いきなり動き出したアーサーさんの行動に対応しきれず、力の緩んでいた身体に強烈な圧迫感と痛みに混じって甘い痺れにも似た感覚が押し寄せてくる。
「菊……菊っ」
何度も私の名前を呼び、目が合うと貪るように唇を塞がれた。
「んっ。ん……ふ……あっ、ぁあっ! 激し……アーサーさ……もっとゆっくり」
「それは無理だ。もうとまらねぇ」
「そんな……っ! は……ぁあんっ」
激しい口付けと突き上げに私はなす術がなく、ただただ、喘ぐ事しか出来ない。
いつしか痛みは快感にすり替わりアーサーさんの背に腕を回して熱い吐息を洩らす。
もう頭の中は真っ白で、チカチカするような強烈な快感に意識が全て持っていかれる。
「アーサーさ……んっ、すご……っぁ、ソコはっ……ぁっ、あっああ――っ!!」
突然、無防備だった自身を握りこまれ私はあっけなくアーサーさんの手の中に精を放ってしまった。
「……っ、今夜はまだ終わりじゃねぇぞ」
「ハァハァ、――っ、えっ?」
吐精後の虚脱感に襲われている私の身体は繋がったままアーサーさんの手によってぐるりと反転させられ、尻を高く上げるような格好にさせられる。
「わ、私いま出したばかりで……」
「大丈夫だって、今夜は寝かせねぇからな!」
「そ、そんなっ……無理です! ぁっ、ああっ」
私の言う事など一切無視して、アーサーさんは再び腰を揺すり始めた。
朦朧とする意識の中、アーサーさんとの行為は永遠と続けられた。