お酒はほどほどに(5)
それから数時間。家に戻った私達は二人っきりでささやかな二次会(?)を楽しんでいたのだが……。
「おーい、酒が切れてるぞ。もっと持ってきてくれ」
「アーサーさん、ちょっと飲みすぎですよ」
「何言ってんだよ菊。こんなの序の口だって」
机に身体を半分預け、赤い顔をしたアーサーさんがへへへっと低俗な笑い方をする。
「もうだめです。そんなに飲んだら身体に毒ですよ」
「大丈夫、大丈夫。このくらいで酔うような俺様じゃないっつーの! ほんと菊は真面目だよな。なんか母親と話してるみたいだぜ」
「お、お母さん、ですか」
ガーン。私、そんなに口煩かったですかねぇ?
ショックを受けている私を横眼で見て、アーサーさんがククッと喉を鳴らした。
「でも、まぁ……。自分の親とはこう言う事したいなんて思た事一度もねぇけど、なっ」
「――えっ? わっ!?」
勢いよく腕を引かれ、バランスを崩した私の上にアーサーさんがのしかかって来る。
「ちょっ、アーサーさ……んっ」
戸惑う間もなく唇を塞がれ、口の中にアルコールの香りが広がってゆく。噛みつくような口付けに呼吸もままならない。
息苦しくなって顔を背けようとしても許して貰えず、鼻から抜けるような甘い吐息が洩れた。
「ん……ふ……っ」
アーサーさんの熱い舌が絡み、頬の内側や歯列をなぞられると背筋がゾクリと粟立つ。
いつも以上にドキドキして胸が苦しいのはアルコールの所為でしょうか?
「……あっ、ん」
首筋に唇の生温かい感触が触れ、吸いつかれて身体が小さく震えた。アーサーさんは満足そうに微笑むと、ズボンのベルトに手を掛け一気に下着ごとズボンを足から引き抜いた。
露わになった素肌にひやりとした外気が当たり鳥肌が立ちそうになる。
「いつ見ても綺麗な足してんな」
「は、恥ずかしい事言わないでください……ひゃっ」
腿を付け根から撫でられて、肩に担ぐようにして足を高く持ち上げられ腰が浮く。不安定な姿勢に戸惑いを覚えた。
「あ、あのっ、一体何を――やっ!」
あっ、と思った時にはアーサーさんの鼻先が尻に触れ、後ろの窄まりに生温かいものが触れた。
「あっ、あっ……やめて下さい」
ぴちゃぴちゃと濡れた音がする。今まで幾度となく身体を合わせて来たが、そんなところに口を付けられている事がショックだ。
腰を引こうとしてもしっかりと固定されている為にかなわない。
「いや、……嫌だって言ってるのに……っ」
「何が嫌なんだよ。慣らさないと辛いのは菊だぜ?」
「ですが、私まだお風呂に入ってないし」
「んなもん後でいいだろ。つか、実はお前痛い方が好きなんだろ」
「は?」
アーサーさんは、わけのわからない事を言いだし、勝手に納得をして下半身を露出すると、ガチガチに猛ったモノを私の後孔に押し当てた。
そしてまだ慣らして無いソコに無理やり押し込もうとしてくる。
「ちょっ、無理ですよ。いきなりそんな……ぅうっ」
「お前がこっちのがいいって言ったんじゃねぇか」
「言ってませんっ! ……ぁっ、くぅっ!」
強引に押し入って来る感覚に息が詰まる。普段のアーサーさんなら絶対にこんな事はしないのに。
「あはは、すげぇ! よく絞まってるぜ。ほら、息吐けよ。全部入らないだろ」
尻をペチペチと叩かれて、あまりの事に唇をギュッと噛みしめた。殆ど慣らしてい無いソコはピリッとした痛みの方が強く、額に冷や汗のようなものが浮かぶ。