我慢比べ1
シンッと静まり返った室内に、荒い息遣いが木霊する。
「くっあ……っ、アーサーさ……も、早く……ぁアッ」
「早く? 早くなんだよ」
意地悪な笑みを浮かべながら、そう尋ねられて本田菊はカァッと頬が熱くなるのを感じた。
「言わなきゃわかんないだろ?」
片方の手で子供をあやすように頭を撫でながら、空いている方の腕ですっかり先走りの蜜を零している自身を握りこまれ、声にならない嬌声が本田の口から洩れた。
「あっ、ン……アーサーさん……ぁあッ」
「すっげ……、その顔。最高だな」
「っ! 見ないで下さい……っ」
フイッと顔を逸らすと、すぐさま首筋に唇を寄せて吸いついて来る。
「だ、駄目ですって……ぁン、明日はルートヴィッヒさん達と会う約束があるのに……」
「いいじゃねぇか。お前は俺のモンだって徴だよ」
クスッと笑われ、胸元にも紅い徴を付けられてびくりと身体がしなった。
「なぁ、どうして欲しいんだ?」
ゾクゾクするような甘い声で耳元に囁きかけられて、息が詰まりそうになる。
「言えよ。どうして欲しいか。お前の口から聞きたいんだ」
フルフルと首を振れば咎めるように胸の飾りをギュッと摘ままれ、びりっと電流が走る。
「下の口はこんなに素直なのにな」
「ふ……ぁっ!」
苦笑交じりに指を宛がうと、なんの抵抗も無くすんなりとそれを受け入れる。
「ほら、すげぇ音」
「や……っ! 言わないで下さい……んっふ、ぁ……ッ」
グチュグチュッと激しく掻き乱され、抗いようのない快感が湧きおこり無意識のうちに腰が揺れた。
アーサーの長い指先が前立腺を掠めるたびに身体が跳ねて内腿が震える。
「あっ! そこ……駄目っ……駄目です……ぁっ! アッ出ちゃいます……っ」
「指でイクのか?」
そう言いながら、自身を握りしめていた指の動きを速める。前と後ろ両方を同時に責められて目の前がチカチカするような感覚に陥る。
「や……ぁっ……指だけじゃ……アーサーさんと一緒に……ぁっアッ」
ハァハァと荒い息を吐きながら訴えるとアーサーの喉がゴクリと音を立てた。
「俺と一緒に、ナニ?」
「そ、それは……っ」
「それは?」
指の動きはそのままで尋ねられて、本田はブンブンと首を振った。