No title
「あっ、ん……ぅあ」
「キツイな。もっと力抜くんだぞ」
「んっ、っせー。わかってるって……っ」
俺の締め付けがキツイのか、アルフレッドの眉間に皺が寄る。
無意識のうちに歯を食いしばっていた頬を、そっと撫でられ息を詰めないように震えながら息を吐いたり吸ったりを繰り返す。
徐々に埋め込まれていく熱を感じ、競り上がって来る圧迫感に胸が苦しくなった。
「アーサー……動くよ」
「や、いや……ぁあっ」
「いや、じゃないだろ。もうしっかりとオレのを咥えこんでるクセに」
ギシッとベッドの軋む音が響いて、アルフレッドが身体を倒して来た。
「や……っ、やっ、あ……ッ、アル……ッ」
アルフレッドが動くたびに繋がった部分からぐちゃぐちゃと凄い音がする。
恥ずかしくて耳を塞ぎたいのに俺の両手はシーツに縫い止められていてそれはかなわない。
小刻みに激しく突き上げられてどうにかなりそうだった。ただ熱くて何も考えられなくなっていく。
「……アーサー……」
切なげに名を呼ばれ、恐る恐る目を開けた。
視界いっぱいに広がるスカイブルーの瞳。あの頃より精悍な顔つきに成長したアルフレッドの顔。
一瞬、呼吸が止まっちまうかと思っちまった。
「……っその顔で、俺の名前を呼ぶな。バカ! ぁ、あんっ」
「その顔って……酷いなぁ。アーサー」
困惑したように、アルフレッドは動きを止め複雑な表情で「どうしてなんだい?」と訊ねてくる。
「……っ、嫌なんだよ。その顔で名前呼ばれんの。その……昔のお前が戻って来たみたいで……胸が苦しくなる」
そう抗議すると、くすっとアルフレッドが笑う気配がした。と、同時に再び律動が開始され、油断していた俺ははしたない声を上げてしまう。
「あっ、アッ! はぁ……ッ、ん、ああ……! てめっ、いきなり……や、ぁあっ」
「可愛い事言うキミが悪いよ」
「はぁ? あっ、意味、わかんね……っ俺は思ったままを言っただけで……ぁっ、んんっソコ……っ」
濡れた性器にアルフレッドの指が絡んだ。ナカを擦るのと同じリズムで扱かれる。猛然と激しく腰を使われて、思考がまとまらなくなる。
「気持ちいいだろう?」
「あっ、あ……、やべっ……イイ、すげぇイイ!」
普段の俺なら絶対に口にしないような言葉が無意識のうちに零れていく。
前と後ろを同時に攻められて、本当にわけがわからなくなってしまいそうだ。
「ふ、ぅ……あっ! あ……ッこんなの俺……もう、駄目っ」
「……クッ」
一番敏感な部分を中から押され、頭の中が真っ白になった。俺は腰を震わせながらアルフレッドの手の内に白濁を撒き散らしてしまう。
それとほぼ同時に、身体の中で熱い迸りを感じた。
余裕があるような感じだったけど、アルフレッドも俺で感じてくれたんだ。
そう思うと、ちょっとだけ嬉しいような気がする。