No title
「乳首弄ってただけで、もうこんなになるのかい? やらしいなぁアーサーは」
ツツ。と、下着の上からなぞられて身体が震えた。布越しに、後孔をつつかれて堪らず奥が疼く。
だけど直接触れて来る事はなくて、じれったさばかりが募ってゆく。
「アル……も、なんでもいい。早く……」
「早く、なんだい?」
「……っ」
によによと笑いながら聞き返されて言葉に詰まった。クソっ、わかってるくせに……!
「さ、触ってくれよ……」
「何処を?」
「……クソっ、性格悪い」
「ハハッ、オレがいい性格してる事くらい良く知ってるだろ?」
思わず吐いてしまった悪態に、アルフレッドが小さく苦笑して下着の中にアルフレッドの手が潜り込んで来る。
「うわ、凄いよアーサー。もうグショグショじゃないか」
「ば、ばかっ! 一々言うんじゃねぇ!」
すっかり熱くなった自身から溢れた俺の体液がべったりとついた指を、見せ付けるように目の前で舐めるアルフレッド。
「――ッ舐めるなよ、そんなもん。汚い」
「汚くないよ。アーサーのだから」
濡れた指先を舐めるその仕草が妙に色っぽく見えて、胸がざわめく。思わず逸らしてしまった視線を、咎めるようにアルフレッドの指が顎にかかり、くいと持ち上げられた。
スカイブルーの瞳と目が合って、ゆっくりと唇が近付いてくる。
ついばんで、唇を舐めて舌が滑りこんで来る。歯列をなぞったり、舌を絡めたり、徐々に深くなってゆく口付けは甘く、ほわほわと気持ちがいい。
互いの唾液が混じり合い溢れた唾液が口の端から頬を伝う。
「……なぁ、眼鏡」
「ん? 眼鏡がなんだい?」
「外せよ。邪魔」
「え〜、いやだよ。これが無いとキミの感じてる顔が見れないだろ?」
「見なくていいんだよ! バカっ!」
アルフレッドは、渋々眼鏡を取るとサイドボードの上に置いて戻って来る。
「これでいいんだろ?」
「――ッ、あぁ」
その顔を見た途端、俺の心臓が一際大きく跳ねた。
なんか……、昔のアルフレッドが戻って来たみたいだ。眼鏡一つでこんなにも印象が変わるなんて……。