No title
「アーサー……やっぱりオレ、自由を選ぶよ」
突然そう宣言して、アイツは俺に銃を向けた。
今までずっと、ずっと可愛がってきてやったのになんで……。
自由ってなんなんだよ一体。
そんなに俺の事が嫌いだったのか?
なんで、どうして独立なんか。
「なんでなんだよアルフレッド……」
チクショウ、チクショウ、チクショウ……ッ!
ウザいくらいの雨の音と銃声、兵士達のぶつかり合う音が今でも耳に残っている。
目を開けるとそこには見慣れた俺んちの天井があった。
なんで今更あの頃の夢なんか――。
「最悪だ……」
あの時の気持ちなんて思い出したくも無かったのに。
「――何がさいあくだって?」
「!?」
突然、隣から声がして思わず跳ね起きた。
「あ、アルフレッド!? なんでオマエがここに!? げ、俺裸じゃねぇか!!」
辛うじてパンツは履いているものの、それ以外に何も身につけていない自分の姿に驚愕する。
それよりなにより、なんでアルが俺の家にいるんだ!?
状況が全く読めない俺を見て、アルフレッドがやれやれとばかりに肩を竦めた。