No title
「菊〜っ! 遊びに来たよ!」
「!!?」
突然、物凄い勢いで玄関の引き戸が開き、二人は瞬時にフリーズしてしまった。
「おいコラ、チャイムくらい鳴らせといつも言っているだろうが……」
「――そんな所で何してるの?」
「あっ、えっと、これはそのっ……」
突然現れたフェリシアーノとルードヴィッヒにあたふたと言いわけをしようとする菊の耳に、アーサーのチッと言う舌打ちと盛大な溜息が響き渡る。
「んなもん、見りゃわかるだろ」
不機嫌オーラ全開で吐き捨てるようにそう言うと、アーサーは菊の腰を掴み構わずグッと押し入って来る。
「! やっ……アーサーさんっ!?」
「イイ所なんだから邪魔すんなよな」
「――――……っ」
「ヴェ〜……」
呆然と立ち尽くす二人を尻目に猛然と腰を使いい始める。
「あっ! アンっ、駄目! やっ、駄目です……ああっ」
「駄目じゃねぇだろ? 気持ちよさそうな声出してんじゃん」
「ちがっ! や、ぁあンっ」
いくら嫌だと口で言ってみても、無駄な抵抗でアーサーが止めてくれる気配は無い。
それどころか、佇んで息を呑んでいる二人に見せ付けるように足を肩に担がれ身体をグッと倒して来る。
「ふ、んんっあっあっ!」
「声でけぇよ。あいつ等にそんなサービスしてやらなくてもいいんだぜ?」
「そんなつもりじゃ……ァンっふ……ぅんンっ」
意地悪く笑いながら洩れ出る声を吸い取るように唇を塞がれた。熱い舌が絡んで、ゾクゾクするほど気持ちがいい。
アーサーはキスが上手い。口腔内を蹂躙する舌先に翻弄され、だんだん思考がまとまらなくなっていく。
「ん……は……ぁっ……ふ」
おずおずと背中に腕を回し、自ら舌を差し出すとアーサーは「それでいい」と満足そうに微笑んでそっと頭を撫でた。
そして、肩を掴むと首筋に吸いつきながら再びアーサーの律動が激しく菊の内側を刻んだ。のけ反る背を身体で押さえ込まれ悲鳴にも似た嬌声が洩れるたびに荒っぽい口付けが塞ぐ。
「あああっ……あーッ、ふ……アーサーさんっこんなの、駄目っ出ちゃ……ぁ、ああん……――っ!」
本能的にずり上がる身体を押さえ付けられ腰を激しく打ち付けられる。繋がった部分から快感が波状に広がって、頭の芯までどろどろに溶かされてしまうようだ。
「イク……っ! あ、ああっ」
「イケよ。俺も一緒にイってやるから」
「あ、ふ、ぁぁああ……――!」
一際激しく打ちつけられ。、菊はアーサーの背中に爪を立てて白濁を放つ。それとほぼ同時に自分の中でどくりと脈打つ迸りを感じた。