No title

「……アーサーさん、あの」

「なんだ?」

「その、手が……」

サワサワと際どい部分に触れる手が気になるのか、頬を赤く染めて俯いてしまう。

「手? あぁ、気にするな。俺はこのほうが集中出来るんだ」

「嘘ばっかりっ」

股間に手を伸ばし撫で上げると、菊は小さくァッと声を洩らした。

「……こんなので、勉強に集中出来るわけないじゃないですか」

生理的に滲んだ涙を浮かべ睨みつけてくる。その姿に興奮を覚え、ベッドの縁に背を押えつけて顎を持ち上げ唇を塞いだ。

「ん、ん……は……」

股間を撫で首筋に舌を這わせると、何も言えなくなってモジモジと腰を揺らし眉根を寄せて困ったような顔をする。

「もうっ、わ、私は勉強を教えに来たんですよ?」

「わかってる。勉強は後だ」

「後って」

「菊と一回ヤったらきっと解けそうな気がする」

耳たぶを甘噛みしながら服の中に手を差し込み胸の尖りを摘まむ。自分の手で少しずつ快感を強めて行く菊の姿を見るのが堪らなく興奮する。

「なぁ、いいだろ? 俺、ずっと我慢してたんだ」

「勉強が終わるまでは駄目です!」

胸に触れていた手をギュッと思いっきり抓られて、慌てて服の中から引きずり出した。

「だって、昼休みにトイレでシたじゃないですか。その前の時間だって廊下で……」

「どれも途中で邪魔が入って、最後まで出来なかっただろ?」

ルードヴィッヒとフェリシアーノの目を盗んで二人っきりになれたとしても、やはり学校では人目があり過ぎて中々最後までする事が出来ない。

「菊だって中途半端に止められて、物足りねぇんじゃねぇか」

「それは、そうですが……」

もごもごと口籠ってしまった菊を見て、アーサーは口の端をペロリと舐めた。心が傾き始めた菊を言い包めるのは簡単だ。


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