No title
そっと背中に腕を回すとそれを合図だと受け取ったのか、アーサーさんの熱い唇がゆっくりと首筋、鎖骨、胸元へと降りて行く。
肌蹴た隙間に手を差し込んで熱い掌が敏感になった胸に触れ、同時にチュッと小さな水音。
ぬるりとした舌に胸を吸われ身体が跳ねた。同時に太腿の付け根をいやらしい手付きで撫でられ、びくりと身体が震える。
「――っ、ん、ん……ぅっ」
思わず恥ずかしい声を上げそうになって、慌てて私は自分の手で口を塞ぐ。
吸われては軽く歯を立てられる。ねっとりと舐められて、舌で転がされる。
神経がチリリと焼けるような気がした。触られて舐められた部分に火が付いてそれが下半身に運ばれていく。
「アーサーさ、ソコばっかりっ……や、ぁ……っ」
「すげぇ綺麗なピンク色してる、……自分で弄った事ねぇの?」
「な、ないですよ! あるわけないでしょう!? ――ァッ」
片方を指で刺激しながら反対の胸元に吸いつかれ歯を立てられてビリッとした電流のようなものが背中を駆けた。
両方の胸元を一度になんて刺激が強すぎてどうしたらいいのかわからなくなってしまう。
「……ぅ、ん……っ」
少しでも声を洩らさないように堪えていると、今度は太腿を撫でていた指先が袴の隙間を掻い潜って私の股間に触れた。私はギョッとして慌ててそれを止めようとしたけれど、アーサーさんが褌の紐を解いてしまう方が早かった。
恥ずかしくて足を閉じたいと思うのに、股の間に滑り込んだアーサーさんの身体がそれを許してくれない。
すっかり興奮しきって熱くなった鈴口から溢れる体液がクチクチと卑猥な音を立ててアーサーさんの手を濡らしてゆく。そんな音を自分が出していると、言う事もこんな姿をアーサーさんの前にさらけ出していると言う事も恥ずかしくて仕方がない。
与えられた快感を追う術を知らない私は、ただ少しでも声が洩れないようにするのが精一杯でアーサーさんの浴衣を掴んで堪える事しか出来ない。
その間にもアーサーさんは首筋に吸いついたり、空いた手で胸元を弄ったりしていて、快感の切れ間がない。そんなに一度にあちこち触れられるとおかしくなってしまいそうになる。
「……は……アーサーさ、も……駄目です……っ」
腰を捩じって逃げようとしたけれど許して貰えず執拗に追いたてられ、身体のあちこちに付けられた火が一斉にそこへ駆けつけてくるみたい。肩で荒い息をしながら扱いている手を押さえてなんとかそれを止めようとした。
そうでもしなければ直ぐにでも達してしまいそうだ。
「出していいんだぜ?」
「や……! そんなの……っ嫌です」
一方的に追い上げられて自分だけ達してしまうなんて、それだけはなんとか避けたい。あまりにも早すぎたら恥ずかしい。
それなのにアーサーさんは私に構う事無く、長い指先が根元の膨らみをやわやわと揉みしだいた。強すぎる刺激に息が詰まり目尻に生理的な涙が浮かぶ。
「ほら、気持ちいいんだろ? 我慢なんてするなよ」
「アッ、だめ、です……だめっ、て……!」
集まりきった快感が目まぐるしく渦を巻く下腹部にギュッと力を込めたけれど、無駄な 努力だった。
唐突に耳の穴に生温かいものが差し込まれ、濡れた音がちゅくちゅくっと頭の中で響く。こんな事されたらもう……わ、私――っ。
「あ、あっ……! ぁあっ……!」
感じたことの無い強い快感に堪えきれずアーサーさんの手の中へびゅくびゅくと白濁を迸らせてしまった。