No title
取れてしまった片耳の接着部分を指でなぞり、何気なく反対側の耳を指で摘んだ。
「ん?」
よく見たら、反対側の耳までグラグラしている。初めから接着が甘かったのか、カチューシャに付けられたフェルト部分が既に剥げかかっているのだ。
(うわっ、やっべ)
かろうじて無事だった片耳が剥げてしまったら、さらに恐ろしいことになってしまう!
「え〜っと……えへっ」
壊れかけのカチューシャをそっと枕木に置いて愛想笑いを浮かべたが、それで宮地の怒りがおさまるはずがない。
「えへっじゃない!……悪い事したくそガキにはお仕置きが必要みたいだな」
「へっ!? お仕置きって……」
腰の上に跨ったまま手を伸ばし、手首を一纏めにして近くにあったタオルで手際よく縛られる。
「――なっ!? ちょっ、宮地さん! なにやってんっすかっ!?」
勿論抵抗しようとしたが体格差が有り過ぎるし、自分に非があるという後ろめたい気持ちも手伝ってろくな抵抗にならなかった。
「うるせぇよ! お仕置きだっつってんだろう?」
言いながら無防備になった脇腹を擽るように手のひらで撫でられて、身をよじると咎めるようにシャツの上から胸の尖りを摘まれた。
「……ぁあっ」
ちくりとした痛みに宮地の下で小さく身体が震える。その反応に気をよくしたのか、手首に巻きつけるようにして服を脱がされた。
露になった胸元に指を這わせながら、宮地の顔が下りて来て耳たぶを唇で挟んで上下する。
時折軽く歯を立てられてぞくりと背筋がざわめく。
「んっ」
眉を顰めて耐えていると尖らせた舌が耳穴に侵入してくる。
自然に逃げようとする頭を押さえつけられ、熱く濡れた舌が耳の中を犯し下半身に鋭い快感が生まれた。
くちゅくちゅと耳の中にダイレクトに響く音がいやらしくて堪らない。
堪えようとしても堪えきれない甘い痺れが全身を駆けて、高尾の口から小さな嬌声が洩れる。
手首を縛られて万歳の格好で押さえつけられているためにろくな抵抗も出来ずされるがままの状態だ。
「はぁ……は……」
耳の穴をしつこく蹂躙され、ようやく解放された時には息も上がり、ぐったりと疲れきってしまっていた。